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上場廃止は、企業や株主にとって大きな影響を及ぼす重要なテーマです。 「保有株はどうなるの?」「会社にどんな影響があるの?」といったメリット・デメリットに関する疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
この記事では、上場廃止の定義や理由から、具体的な手続きの流れ、株主・従業員への影響、さらには再上場の可能性まで、網羅的に解説します。 上場廃止に関する正しい知識を身につけ、もしもの時に適切な判断ができるよう、ぜひご一読ください。

上場廃止とは、企業が発行する株式が証券取引所での売買対象から外れることを指します。 上場状態では、投資家が証券取引所を通じて株式を自由に売買できます。 しかし、上場廃止になると、その市場での取引は不可能になり、株式が流動性を失います。
例えば東証に上場していた企業が上場廃止になると、投資家は東証システムを通じて売買できなくなります。 これにより、流動性の低下、資金調達方法の変化、企業信用度への影響などが生じる可能性があります。
上場廃止は大きく以下の2つのパターンに分類されます。
経営戦略上の判断に基づき、企業が自らの意思で上場廃止を選択するケース
業績不振や法令違反などにより、証券取引所の基準を満たせなくなったケース
それぞれのパターンで背景や意味合いは大きく異なります。 自主的申請はM&AやMBOなどの戦略的判断、基準抵触は財務基準未達や不祥事などが原因となります。
企業が自主的に上場廃止を申請するケースは、経営戦略上の判断に基づいて行われることが多いです。 上場維持には株主対応、情報開示、株価配慮など様々なコストや制約が伴います。 非公開化により、これらの負担から解放され、より自由で機動的な経営判断が可能になります。
主な動機として、M&Aによる完全子会社化、経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)があります。 また、短期的市場評価に左右されず、中長期的視点での経営改革を断行したいという理由もあります。
証券取引所が定める上場廃止基準に抵触した場合、企業は意図せずとも上場廃止に至ることがあります。 証券取引所は投資家保護や市場信頼性維持の観点から、上場企業に一定基準を設けています。
主な上場廃止基準には以下があります。
| 基準分類 | 具体的内容 |
| 市場性基準 | 株主数、流通株式比率、時価総額 |
| 財務基準 | 債務超過、破産手続き開始 |
| コンプライアンス | 有価証券報告書の提出遅延・虚偽記載、重大な法令違反、反社会的勢力との関与 |
このような基準への抵触は、企業の経営状況やガバナンス体制に深刻な問題があることを示す場合が多いです。

企業が上場廃止という選択をする背景には、様々な理由が存在します。 大きく分けると、以下の2つのパターンがあります
それぞれ解説していきます。
経営の自由度を高め、中長期的な成長を目指すために上場廃止を選択するケースです。 上場企業は株主への説明責任、短期的業績向上へのプレッシャー、情報開示義務、株主総会運営など様々な制約やコストを負っています。 非公開化により、これらの負担から解放され、経営資源を本業に集中させることが可能になります。
競合他社に知られたくない機密性の高い経営戦略の実行、株価変動を気にせず大胆な事業再編や投資の実施などが利点となります。
M&Aの一環として、企業が他の上場企業の株式をすべて取得し、完全子会社化する場合、子会社となった企業は上場廃止となるのが一般的です。 親会社が子会社の経営権を完全に掌握し、グループ全体の経営戦略を迅速かつ効率的に実行することを目的としています。
親会社からのメリットとして、意思決定のスピード向上、グループ内での資源配分の最適化、経営の機密保持があります。 子会社化された企業の株主には、通常、株式公開買付(TOB)などを通じて市場価格にプレミアムが加算された価格で買い取りの機会が提供されます。
MBOは、経営陣が投資ファンドなどと協力し、既存の株主から自社の株式を買い取ることで、上場廃止を行う手法です。 この目的は、外部の株主の影響力を排除し、経営陣が安定した経営権を確保することにあります。
上場していると、特に短期的利益を重視する株主からの要求や経営への干渉を受ける可能性があります。 MBOにより非公開化すれば、経営陣は外部の意見に左右されず、自ら信じる経営方針を迅速に実行できます。
また、敵対的買収のリスク回避も目的の一つとなることがあります。
上場企業は四半期ごとの決算発表などで短期的な成果を示すことが求められ、株価を意識するあまり、長期的視点での投資や抜本的改革に踏み出しにくい側面があります。 上場廃止により非公開化すれば、株主からの短期的プレッシャーから解放されます。
経営陣は目先の利益にとらわれず、数年単位の経営戦略や大胆な事業構造転換を断行しやすくなります。 これにより、企業は長期的成長に向けた投資や改革を自由に推進できるようになります。
アクティビストと呼ばれる、企業の経営方針に対して積極的に提言や要求を行う株主への対応は、時に企業にとって多くの時間やコストを要する場合があります。 株主提案への対応、経営戦略への影響、経営陣との対立などが、経営の安定性を損なう要因となることも考えられます。
上場廃止により非公開企業となれば、このようなアクティビストからの直接的要求や経営への介入リスクを大幅に低減できます。 経営陣が外部からの干渉を受けずに経営に集中したいと考える場合、アクティビスト対応の負担軽減を目的として上場廃止を選択することがあります。
上場廃止には、企業が積極的に選択するケースだけでなく、証券取引所が定める基準を満たせなくなったり、法令違反や不祥事を起こしたりするなど、ネガティブな理由によるものもあります。 これらのケースでは、企業の経営状況や信頼性に深刻な問題が生じていることが多く、株主や取引先、従業員など、多くの関係者に不利益をもたらす可能性があります。
経営破綻が直接的な原因となるケースは近年減少傾向にあるものの、依然として注意が必要です。
証券取引所は、市場の信頼性や投資家保護の観点から、上場企業に対して様々な「上場維持基準」を設けています。 これには、株主数、流通している株式の数や時価総額、売買高、純資産額などが含まれます。
企業がこれらの基準を継続して満たせなくなった場合、例えば株主数が基準値を下回った状態が一定期間続くと、改善が見込めないと判断され、上場廃止となります。 これは、市場で取引されるに足る流動性や企業規模、財務の健全性が失われたとみなされるためです。
企業が法令に違反したり、社会的な信用を著しく損なうような重大な不祥事を起こしたりした場合、証券取引所の判断によって上場廃止となることがあります。 主な事例として、粉飾決算やインサイダー取引といった証券取引に関する不正行為、大規模な品質偽装、環境汚染、反社会的勢力との関与などがあります。
これらの行為は、市場の公正性や透明性を害し、投資家保護の観点からも極めて問題視されます。 結果として、企業信用の失墜とともに上場廃止という厳しい処分が科せられることになります。
上場企業は、投資家が投資判断を行うための重要な情報源である有価証券報告書や四半期報告書などを、定められた期限までに提出する義務があります。 これらの報告書の提出が大幅に遅れたり、内容に意図的な虚偽記載があったりした場合、上場廃止の対象となります。
また、報告書に添付される監査法人による監査報告書で、「意見不表明」や「不適正意見」といった極めてネガティブな評価がなされた場合も、同様に上場廃止基準に抵触する可能性があります。 適切な情報開示は投資家保護の観点から極めて重要であり、これが履行されない場合は市場からの退場を余儀なくされます。

上場廃止は一見ネガティブに捉えられがちですが、企業にとって様々なメリットをもたらす可能性があります。 経営の自由度向上からコスト削減、リスク低減まで、その恩恵は多岐にわたります。
上場廃止による主なメリットは以下の4つです。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
上場廃止によって、企業は経営の自由度と機動性を大幅に高めることができます。 上場企業は株主の利益を考慮し、特に短期的業績や株価への影響を気にするあまり、大胆な経営判断が難しくなることがあります。 非公開化により、外部株主の意向に左右されず、経営陣が迅速かつ柔軟に意思決定を行えるようになります。
これにより、市場環境の変化への素早い対応や、長期的視点に立った戦略の実行が容易になります。
上場企業は重要な経営判断の際、株主総会での承認が必要となるなど、多くのステークホルダーへの配慮や手続きが求められます。 上場廃止により株主が限定されれば、経営陣は市場の動向や競合の動きに対して、よりスピーディーに対応策を打ち出すことが可能になります。
迅速な意思決定は、競争が激しい現代のビジネス環境において極めて重要な要素となります。
上場企業は四半期ごとの決算発表などを通じて、常に市場から短期的な成果を求められるプレッシャーに晒されています。 そのため、一時的にコストがかさむ研究開発投資や新規事業への挑戦、大規模な設備投資といった、将来の成長に向けた取り組みが抑制されることがあります。
非公開化により、短期的な市場評価から解放されれば、経営陣は数年先を見据えた戦略を着実に実行できるようになります。
上場企業であることは、株主総会の運営やIR活動といった、株主対応に関する様々な業務負担を伴います。 株主総会の準備や運営、招集通知や事業報告書の作成・送付、決算説明会の開催、投資家からの問い合わせ対応など、これらの業務には多くの人員と時間、コストが必要です。
上場廃止により株主が少数に限定されれば、これらの負担は大幅に軽減され、経営陣や従業員は本来注力すべき事業活動に集中できます。
上場を維持するためには、多額のコストが発生しますが、上場廃止によってこれらの費用を削減できる点は大きなメリットです。 企業が負担する上場関連コストは、直接的費用から間接的費用まで多岐にわたります。
| 費用の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 直接的費用 | 証券取引所への年間上場料、TDnet利用料 |
| 間接的費用 | 監査法人への監査報酬、開示書類作成費用、株主名簿管理人への信託報酬 |
| 人的・時間的コスト | 情報開示や株主対応に費やされるリソース |
これらのコスト削減は、企業の収益性改善や財務体質の強化に直接的に貢献します。
上場企業が負担する直接的な費用として代表的なものが、証券取引所に毎年支払う年間上場料です。 この金額は企業の時価総額などに応じて変動し、規模の大きな企業ほど高額になります。 また、投資家向けの情報開示システムであるTDnetの利用料も、上場企業が負担する費用の一つです。
上場廃止により、これらの直接的な支払いが完全に不要となり、即効性のあるコスト削減効果が得られます。
上場維持には、財務諸表の信頼性を担保するための監査法人による会計監査報酬が必要です。 上場企業に求められる監査の基準は厳しく、報酬も高額になる傾向があります。 また、金融商品取引法に基づく有価証券報告書や四半期報告書などの開示書類は、作成に専門的な知識と多くの工数を要します。
これらの間接的な費用も、上場廃止によって大幅に削減または不要となり、長期的なコスト負担の軽減につながります。
経理部門や法務部門、IR担当部門などが、法定開示書類の作成や適時開示、株主総会の準備・運営、投資家からの問い合わせ対応などに多くの時間と労力を費やしています。 これらの業務は専門性が高く、担当者の負担も大きいものです。
上場廃止により業務量が大幅に削減されれば、従業員はより付加価値の高い、本来の業務に集中できるようになります。
上場廃止は、企業が望まない相手から経営権を奪われる「敵対的買収」のリスクを低減させる効果があります。 上場している企業の株式は証券取引所を通じて誰でも自由に売買できるため、特定の株主が市場で株式を買い集め、経営権の取得を目指すことが可能です。
非公開化により株式が非公開となれば、市場での自由な取引はできなくなり、買収を仕掛ける側は既存の株主と個別に交渉する必要が生じます。 これにより、買収のハードルは格段に高まり、経営の安定性を確保したいと考える企業にとって非常に大きなメリットとなります。
上場廃止により、企業は情報開示に関する義務から大幅に解放され、経営戦略上の機密を保持しやすくなります。 上場企業は、投資家保護の観点から、金融商品取引法などに基づき、財務状況や事業内容、リスク情報などを詳細かつタイムリーに開示することが義務付けられています。
しかし、この情報開示が時として競合他社に自社の戦略や弱みを知られるきっかけとなり、競争上不利になる可能性も否定できません。 非公開化すれば、法定開示義務は大幅に軽減されるため、重要な経営情報や開発中の新技術、M&A戦略などを外部に漏らすことなく、水面下で計画を進めることが可能になります。

上場廃止には企業にとって重要なデメリットが存在します。 資金調達の制約やブランドイメージの低下、株式の流動性減少など、企業活動に大きな影響を及ぼすため、これらを正しく理解することが不可欠です。
上場廃止に伴う主なデメリットは以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
資金調達手段の制約と選択肢の減少は、上場廃止の大きなデメリットの一つです。 上場企業は株式市場を通じて、公募増資などにより大規模な資金調達を行うことが可能です。 しかし、非公開化すると、この有力な手段が利用できなくなります。
新株を発行して広く投資家から資金を集めることができなくなるため、事業拡大や大型投資に必要な資金を確保する上で、選択肢が狭まることになります。
上場企業にとって株式市場は、大規模な資金調達を実現するための重要なプラットフォームです。 特に公募増資は、広く一般の投資家から多額の資金を比較的迅速に集めることができる有効な手段となります。 しかし、上場廃止により非公開企業となると、この株式市場を通じた資金調達の道が閉ざされてしまいます。
これにより、将来の成長に向けた大規模な研究開発投資や、M&Aに必要な資金の確保が難しくなるケースが考えられます。
非公開企業になると、資金調達の方法は主に銀行からの借入や、特定の投資家を対象とする私募債の発行などに限定される傾向があります。 株式市場を通じた資金調達ができないため、これらの間接金融への依存度が高まります。
しかし、銀行借入には返済義務が伴い、金利負担も発生します。 また、私募債は発行できる相手が限られるため、常に希望通りの条件や金額で資金を調達できるとは限りません。
企業ブランドイメージや社会的信用の低下リスクも、上場廃止に伴う無視できないデメリットです。 一般的に「上場企業」であることは、厳しい審査基準をクリアし、情報開示を行っている証として、社会的な信頼性の高さを象徴するものと受け止められています。
そのため、上場廃止によってこのステータスを失うことは、金融機関や取引先、顧客や就職希望者からの評価に影響を与える可能性があります。 融資条件が厳しくなったり、新規取引のハードルが上がったり、優秀な人材の確保が難しくなったりする事態が考えられます。
「上場企業」という肩書きは、一定の企業規模や経営の透明性、コンプライアンス体制などを備えていることの証として、社会的な信用力を高める効果を持っています。 多くの投資家や金融機関、取引先は、上場企業であることを前提に評価や取引条件を判断しています。
そのため、上場廃止によってこのステータスを失うと、これまでの信用が揺らぎ、ビジネス上の不利益につながる可能性があります。
金融機関や取引先は、企業の信用力を評価する上で、上場企業であるかどうかを重要な判断材料の一つとしています。 上場企業は財務情報などの企業情報を定期的に開示する義務があるため、経営の透明性が高く、比較的評価しやすい対象です。
しかし、非公開化により情報開示の頻度や詳細度が低下すると、外部からは企業の経営実態が見えにくくなります。 その結果、金融機関はリスクをより高く見積もり、融資の審査を厳格化したり、金利を引き上げたりする可能性があります。
一般的に、上場企業は知名度が高く、経営の安定性や将来性に対する期待感から、就職希望者にとって魅力的な選択肢となりやすい傾向があります。 福利厚生が充実しているイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、上場廃止となると、こうしたイメージが薄れ、「非上場企業」というだけで選択肢から外されたり、他の上場企業との比較で不利になったりする可能性があります。 特に、新卒採用や若手の中途採用において、その影響が現れやすいと考えられます。
株式の流動性低下と、それに伴う既存株主への影響も、上場廃止における重要なデメリットです。 上場株式は証券取引所という公的な市場で、不特定多数の投資家によって日々活発に売買されており、高い流動性(換金性)を持っています。
しかし、上場廃止となると、この市場での取引ができなくなるため、株主は保有する株式を自由に売却することが困難になります。 売却したい場合は、買い手を見つけて相対で取引するなどの限られた方法しかなくなり、換金性が著しく低下します。
上場廃止の最も直接的な影響は、証券取引所での株式売買ができなくなることです。 これにより、株主は保有する株式を売りたいと思った時に、市場を通じて簡単かつ迅速に現金化することができなくなります。
非公開株式の売買は基本的に当事者間の相対取引となるため、買い手を見つけること自体が困難になります。 また、買い手が見つかったとしても、公正な価格で取引できる保証はありません。
一般的に、上場廃止が決定されると、その企業の株式に対する投資家の関心は薄れ、株価は下落する傾向があります。 特に、整理銘柄に指定されると、取引最終日に向けて売り注文が増加し、株価が大きく下落するリスクが高まります。
これは、市場での売買機会が失われることへの懸念や、企業の将来性に対する不安感などが反映されるためです。 TOB(株式公開買付)が行われる場合は、市場価格よりも高い価格で買い取られることもありますが、必ずしも全てのケースでそうなるとは限りません。
上場廃止後も株式を保有し続けることを選択した場合、株主としての基本的な権利(配当を受け取る権利や株主総会での議決権など)は原則として維持されます。 しかし、前述の通り、株式の売却は非常に困難になります。
また、非公開企業となると、上場企業に比べて情報開示の義務が軽減されるため、企業の経営状況を詳細に把握することも難しくなる可能性があります。 配当や株主優待の継続有無も、企業の判断次第となります。
上場廃止そのものが、直ちに株式の価値をゼロにするわけではありません。 しかし、上場廃止の原因が経営不振や債務超過であり、その後、会社が倒産したり、法的な清算手続きに入ったりした場合には、株式の価値は実質的になくなってしまいます。
特に、会社の財産を処分してもなお負債を返済しきれない場合は、株主への分配は行われず、株式は無価値となります。 株主にとって最も避けたい事態は、保有する株式の価値がゼロ、つまり「紙切れ」になってしまうことです。

もし、保有している株式や関わりのある企業が上場廃止となると決定された場合、どのような手続きが進み、自分の持っている株式はどうなるのか、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、上場廃止が決定されてから実際に廃止されるまでのプロセスと、その後の株式の扱いについて解説します。
上場廃止が決定されると、証券取引所はその事実を公表し、投資家への周知と売買機会の提供のため、一定期間を経て最終売買日を迎えるという段階的なプロセスを踏みます。 これは、突然取引ができなくなることによる投資家の混乱を防ぎ、市場の秩序を維持するために設けられた手順です。
具体的には、以下のステップで進みます。
上場廃止は、最終的に証券取引所が決定し、その情報を広く一般に公表することで正式な手続きが開始されます。 企業が自主的に上場廃止を申請する場合でも、上場維持基準への抵触などにより取引所の判断で廃止が決まる場合でも、必ず取引所による決定と公表というステップを踏みます。
公表は、通常、証券取引所のウェブサイトなどで行われます。 投資家や市場関係者に対して、どの企業の株式が、いつ、どのような理由で上場廃止になるのかを明確に伝えます。
上場廃止が決定されると、その株式は通常「整理銘柄」に指定され、投資家への周知と最終的な売買機会を提供するための期間が設けられます。 この整理銘柄としての指定期間は、原則として上場廃止が決定した日から上場廃止日までの1ヶ月間です。
この期間中、投資家はまだ証券取引所を通じて株式を売買することが可能です。 ただし、上場廃止が近い銘柄であるため、買い手が少なくなり、希望する価格で売却できない、あるいは全く売買が成立しないリスクも伴います。
整理銘柄の指定期間が終了すると、その最終日が「最終売買日」となります。 そして、最終売買日の翌営業日付で、その株式は正式に上場廃止となります。
この日以降、当該株式は証券取引所の売買システムから取り除かれ、市場を通じて取引することは一切できなくなります。 つまり、株主にとっては、証券会社を通じて自由に株式を売買する機会が失われることを意味します。
市場での売買ができなくなるため、主な取り扱い方法として以下の3つが存在します:
それぞれの方法について順にご説明いたします。
TOBとは、特定の企業(買付者)が、期間、株数、価格を公開して、不特定多数の株主から市場外で株式を買い付ける制度のことです。 M&Aによる完全子会社化やMBO(経営陣による自社買収)などを目的として上場廃止を行う際に、このTOBが実施されることが多くあります。
買付者は対象企業の経営権を取得するため、株主に対して株式の売却を促します。 通常、TOB価格は、発表前の市場株価に一定のプレミアム(上乗せ価格)が加算されることが一般的です。
スクイーズアウトとは、大株主(多くの場合、親会社やMBOを実施する経営陣など)が、少数株主からその保有株式を強制的に買い取る手続きのことです。 これは会社法で認められている手法で、例えば、大株主が議決権の90%以上を保有している場合などに、残りの少数株主に対して金銭を対価として交付し、その株式を取得することができます。
少数株主にとっては、自身の意思に関わらず強制的に株式を手放すことになりますが、通常は公正な価格が算定されて支払われます。 スクイーズアウトは、企業が完全子会社化などを実現し、経営の意思決定を迅速化するために行われる法的な手段です。
上場廃止後も、株主は引き続きその企業の株主としての権利(剰余金の配当を受け取る権利や株主総会での議決権など)を保有し続けることができます。 ただし、この場合、株式は非公開株式(未公開株式、譲渡制限株式)となり、証券取引所での売買はできなくなります。
そのため、株式の流動性は著しく低下し、売却したいと思っても買い手を見つけることが非常に困難になります。 また、非公開企業となると、上場企業に比べて情報開示義務が軽減されるため、企業の詳細な経営状況を把握することも難しくなる可能性があります。

上場廃止という企業の大きな変化は、その企業の株式を保有する株主や、そこで働く従業員など、様々な関係者に影響を及ぼします。
特に株主にとっては、保有資産の価値や権利に直接関わる重大な出来事です。 ここでは、まず株主に対してどのような具体的なメリットやデメリットが生じるのかを再整理し、詳しく解説していきます。
上場廃止が株主にもたらす影響は一様ではありません。 メリットとなる側面とデメリットとなる側面があり、その状況は上場廃止の理由やその後の対応によって大きく異なります。
主な影響として以下が挙げられます。
| 影響の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| デメリット | ・市場での自由な売買ができなくなり、株式の換金性が著しく低下する ・企業の経営状況によっては、株価が下落したり、価値がゼロになったりするリスクがある |
| メリット | ・M&AやMBOに伴う場合、TOBにより市場価格よりも有利な条件で売却できる可能性がある |
| その他 | ・配当や株主優待の扱いが変わる可能性がある |
株主にとって、保有株式を市場で自由に売買できなくなることは、大きなデメリットです。 上場株式であれば、証券取引所を通じていつでも時価で売却し、現金化することが可能です。
しかし、上場廃止後はその市場がなくなるため、株式を売りたいと思っても、買い手を見つけること自体が困難になります。 加えて、上場廃止に至る経緯(特に業績不振や不祥事など)によっては、企業の信用が低下し、株式の価値そのものが大きく下落するリスクも伴います。
M&Aによる完全子会社化やMBOを目的とした上場廃止の場合、そのプロセスの一環としてTOBが実施されることが一般的です。 TOBでは、買付者(親会社や経営陣など)が、既存の株主から株式を買い取るために価格を提示します。
この際、買付価格は、TOB発表前の市場株価に対して、一定のプレミアム(上乗せ額)が付けられることが多くあります。 株主にとっては、市場で売却するよりも有利な価格で保有株式を現金化できる、またとない機会となる可能性があります。
上場廃止後も、企業が存続する限り、株主は配当を受け取る権利や、企業が任意で設けている株主優待制度の対象となる権利を基本的には持ち続けます。 しかし、実際に配当が支払われるか、株主優待が継続されるかは、非公開化された後の企業の方針次第となります。
経営の自由度が高まる反面、株主への利益還元策が見直され、配当金額が変更されたり、株主優待制度が変更または廃止されたりする可能性も十分に考えられます。 特に、株主数が大幅に減少する場合は、制度維持のメリットが薄れると判断されることもあります。
上場廃止が従業員に与える主な影響や変化の可能性として、以下の点が考えられます。
上場廃止は、あくまで株式が取引される市場が変わる(もしくはなくなる)ということであり、会社自体が即座に消滅したり、事業内容が根本から変わったりするわけではありません。 そのため、従業員と企業との間で結ばれている雇用契約(労働条件、給与、勤務地など)は、原則としてそのまま維持されます。
会社が上場廃止を理由に、一方的に従業員にとって不利益な条件変更を行うことは、労働関連法規によって制限されています。 ただし、M&Aに伴う組織再編や、経営不振が背景にある場合など、上場廃止の「原因」によっては、結果的に人員整理や配置転換が行われる可能性は残ります。
従業員に付与されているストックオプションの権利は、上場廃止によってその価値や権利行使の可否、条件などが大きく変わる可能性があります。 上場廃止となると株式は市場で取引されなくなり、客観的な株価が存在しなくなります。
そのため、権利を行使して株式を取得したとしても、その株式を市場で売却して利益を得ることができなくなります。 ストックオプションを保有している従業員は、上場廃止が決定した場合、自身の権利がどのように扱われるのか(例:権利失効、条件変更、金銭補償など)を、契約内容や会社からの説明で必ず確認する必要があります。
上場廃止によって、企業は短期的な株価や業績へのプレッシャーから解放され、より中長期的な視点での経営判断や、大胆な改革を行いやすくなります。 例えば、M&Aによって親会社ができた場合は、親会社の企業文化や人事制度、給与体系などが導入される可能性があります。
MBOの場合は、経営陣のリーダーシップのもと、事業の選択と集中が進められ、組織風土や評価制度が変わることも考えられます。 こうした経営方針の転換は、必ずしも悪いことばかりではなく、従業員の成長機会の創出や、より働きがいのある環境整備につながる可能性もあります。

上場廃止は理論だけでなく、実際の企業がどのような背景で決断し、その後どうなったかを知ることで、より深く理解できます。
ここでは、MBO、M&A、そして特に注目を集めた有名企業の事例をいくつかご紹介し、その背景や動向を探ります。
まず、経営陣が自ら非公開化を選択するMBO(マネジメント・バイアウト)の事例を見ていきましょう。
近年、経営陣が投資ファンドなどと協力して自社の株式を買い取り、非公開化を目指すMBOの事例が増加傾向にあります。 この背景には、短期的な株主の意向に左右されず、中長期的な視点での経営改革を断行したいという経営陣の考えがあります。
また、上場維持にかかるコストの削減や、アクティビスト(物言う株主)への対応負担軽減、敵対的買収リスクの回避といった目的も挙げられます。 具体的な事例としては、以下のような知名度の高い企業がMBOによる上場廃止を選択しています。
MBOは、経営陣が主体的に経営環境を整え、企業の持続的な成長を目指すための戦略的な選択肢として活用されています。
次に、他の企業グループの一員となるM&A(合併・買収)によって上場廃止となった企業の事例をご紹介します。
M&Aの結果、ある企業が他の企業の完全子会社となることで上場廃止に至るケースも、非常に多く見られます。 これは、親会社となる企業が、グループ全体の経営効率を高めたり、事業間のシナジー(相乗効果)を最大化したり、意思決定を迅速化したりすることを目的として行われます。
近年では、経営不振に陥った企業が、大手企業の傘下に入る形で経営再建を目指す事例も見受けられます。 例えば、以下のような事例があります。
M&Aによる完全子会社化は、企業グループ全体の競争力強化を目指す動きの中で多く見られます。
最後に、その経緯や規模から社会的な関心を集めた上場廃止事例と、その後の動きについて触れたいと思います。
企業の規模や知名度、上場廃止に至った背景などから、社会的に大きな注目を集める事例も存在します。 その代表格と言えるのが東芝の事例です。
同社は、2015年に発覚した不正会計問題や、アメリカの原子力事業における巨額損失により深刻な経営危機に陥りました。 その後、経営再建を目指す中で海外ファンドなどの「物言う株主」との対立も経験し、最終的には2023年に国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中心とする企業連合によるTOB(株式公開買付)を受け入れ、上場廃止となりました。
現在は、非公開企業の立場で経営の安定化と再建を進めている段階です。 また、天然調味料メーカーの焼津水産化学工業の事例では、複数の企業によるTOB合戦が繰り広げられ、株価が大きく上昇したことで話題となりました。

一度上場廃止となった企業が、再び証券取引所に上場することはできるのでしょうか。
非公開化を選択した企業や、やむを得ず上場廃止となった企業が、将来的に再び株式市場への復帰を目指すケースについて、その可能性や条件、動機、そして乗り越えるべきハードルについて解説します。
まず、上場廃止後に再び上場を目指すことは可能なのか、そしてそのためにはどのような条件が必要となるのかについてご説明します。
結論として、上場廃止後に再上場することは可能です。 しかし、それは簡単な道のりではなく、証券取引所が定める厳しい条件をクリアする必要があります。
再上場するためには、まず上場廃止に至った原因(例えば経営不振や不祥事など)が解消され、財務状況が健全化していることが大前提となります。 加えて、適切な内部管理体制(ガバナンス体制)が構築・運用されており、投資家保護の観点から十分な情報開示体制が整備されていることも求められます。
では、一度非公開化の道を選んだ企業や、上場廃止を経験した企業が、なぜ再び上場を目指すのでしょうか。
その背景にある動機や目的を見ていきます。 企業が再上場を目指す主な動機には、事業成長のための資金調達手段の再確保、企業イメージや社会的信用の向上、そして経営の透明性を高めることなどが挙げられます。
また、再上場は経営の健全性や透明性が回復したことの証となり、顧客や取引先、従業員からの信頼回復にも繋がります。 再上場は、企業が新たな成長ステージに進むための戦略的なステップと位置づけられることが多いのです。
再上場を実現するためには、多くの課題を克服し、証券取引所による厳格な審査を通過しなければなりません。
再上場に向けたハードルは高く、新規上場(IPO)と同様、あるいはそれ以上に厳しい審査が行われると考えられます。 証券取引所は、投資家保護を最重要視するため、企業のあらゆる側面を精査します。
特に重要視されるのは、以下の点です。
特に、過去に問題を起こした企業の場合、その原因究明と再発防止策の有効性が厳しく問われることになります。

上場廃止について、メリットやデメリットに関して疑問をお持ちの方も多いかと思います。
ここでは、よく寄せられるご質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
A. 主なメリットは3つ挙げられます。
1つ目は、株主の意向に左右されず、経営陣が迅速かつ柔軟な意思決定を行えるようになることです。 2つ目は、年間上場料や監査費用、IR活動費など、上場を維持するために必要な様々なコストを削減できる点です。
3つ目は、株式が市場で自由に売買されなくなるため、望まない相手からの敵対的な買収リスクを低減できることです。
A. デメリットも主に3点考えられます。
まず、株式市場を通じた公募増資などができなくなり、資金調達の手段が銀行借入などに限定される可能性があります。 次に、「上場企業」というステータスを失うことで、社会的な信用やブランドイメージが低下し、取引や採用活動に影響が出る恐れがあります。
最後に、株主にとっては市場での株式売却が困難になり、換金性が著しく低下する点が挙げられます。
A. 上場廃止が決定されると、通常1ヶ月程度の「整理銘柄」指定期間を経て、市場での売買ができなくなります。
多くの場合、M&AやMBOに伴う上場廃止では、TOB(株式公開買付)により市場価格より高い価格で買い取られる機会があります。 TOBに応じない場合やTOBがない場合、スクイーズアウト(強制買取)の対象となるか、非公開株式として保有し続けることになりますが、換金は非常に困難になります。
A. 上場廃止自体が、直ちに雇用契約の変更や給与・待遇の悪化に繋がるわけではありません。
ただし、経営方針の変更に伴い、将来的に給与体系や福利厚生が見直される可能性はあります。 また、ストックオプションを保有している場合、上場廃止により権利行使の条件が変わったり、価値が変動したりする可能性があるため、会社からの説明を確認することが重要です。
A. 企業が経営戦略として上場廃止を選ぶ主な理由は、経営の自由度と機動性を高めるためです。
非公開化することで、短期的な株価や業績に捉われず、中長期的な視点での経営改革や大規模な投資を実行しやすくなります。 また、株主総会の運営やIR活動にかかる負担、アクティビスト(物言う株主)への対応コストを軽減する目的や、敵対的買収を防ぐ目的もあります。
上場廃止は経営の自由度向上やコスト削減といったメリットがある一方、資金調達の制約や信用低下、株式の流動性喪失といったデメリットも存在します。 上場廃止という事象に直面した際には、その背景にある理由(戦略的な選択なのか、やむを得ない事情なのか)をまず理解することが重要です。
そして、ご自身が株主なのか、従業員なのか、あるいは取引先なのかという立場に応じて、どのような影響が考えられるのか、どのような対応をとるべきなのかを冷静に判断する必要があります。 特に株主の方は、TOBやスクイーズアウトの条件、保有継続のリスクなどを正確に把握し、ご自身の資産を守るための適切な行動をとってください。
不確実な情報に流されず、正しい知識に基づいて判断することが、最善の結果につながるでしょう。
スクイーズアウトとは、企業が少数株主を排除し、完全な支配権を確立するための法的手法です。株主構成の整理や経営の迅速化を目指す企業にとって重要な手段ですが、手続きやリスクに不安を感じる方も多いでしょう。
本記事では、スクイーズアウトの基本から実施手続き、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。この記事を読むことで、スクイーズアウトの仕組みや活用方法が理解でき、企業価値向上に役立つ知識を得られます。スクイーズアウトに関心のある経営者や投資家の方はぜひご一読ください。

スクイーズアウトは、企業が少数株主を排除し、完全な支配権を確立するための重要な法的手法です。 この手続きにより、経営意思決定の迅速化や長期的戦略の実行が容易になり、企業競争力の強化に繋がります。
本章では、スクイーズアウトについて以下の項目を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スクイーズアウト(Squeeze Out)とは、大株主が少数株主から強制的に株式を取得し、株主から排除する法的手法です。 企業が少数株主を排除し、持株比率を100%にして完全支配権を確立するM&A手法として活用されています。
少数株主との意見対立によって重要な意思決定が阻害されないよう、会社法ではこの手続きが認められています。 スクイーズアウトは「締め出し」や「キャッシュ・アウト」とも呼ばれ、企業の戦略的な経営判断を支える重要な制度となっています。
スクイーズアウトはTOB(株式公開買付)と密接に関連しており、多くの場合、まずTOBによって株式を買い集め、残りの株式をスクイーズアウトで取得するという流れが一般的です。 TOBは公開市場外で株式を買い付ける方法で、株主に買付価格や買付期間などを提示し、同意した株主から株式を取得します。
一方、スクイーズアウトは株主の同意なく強制的に株式を取得する点が大きく異なります。 上場会社の完全子会社化を目指す場合、TOBに応募しなかった残存株主からも株式を取得するためにスクイーズアウトが必要となります。
日本のスクイーズアウト制度は、会社法の改正とともに発展してきました。 過去に行われていたスクイーズアウトは、会社法設立以前の法律と商法(1999年)に基づいていました。
当初は株式交換を前提としており、現金での株式買取は認められていませんでした。 しかし、2005年の会社法施行により全部取得条項付種類株式の発行が認められ、M&Aの実務でスクイーズアウトに活用されるようになりました。
2014年(平成26年)の会社法改正では、スクイーズアウトの手法が大きく拡充されました。 特別支配株主の株式等売渡請求制度と株式併合によるスクイーズアウト手法が新たに導入されたのです。
特に特別支配株主の株式等売渡請求制度は、対象会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主が、株主総会決議なしに取締役会決議のみで少数株主の株式を取得できるようになりました。 これにより、従来の全部取得条項付種類株式スキームと比べて手続き期間が大幅に短縮されました。
2019年(平成31年/令和元年)以降の改正では、税制面での整備が進みました。 現金対価株式交換も組織再編税制の適用を受けるようになり、スクイーズアウトの4つの手法すべてで同様の税負担となったのです。
これにより、連結納税採用企業によるスクイーズアウトが簡素化されました。 対象会社の繰越欠損金を連結納税に持ち込めるようになるなど、税務上のメリットが拡大しています。
現在では、特別支配株主の株式等売渡請求制度が比較的短期間で完結でき、株主総会決議が不要なことから、多くの場面で活用されています。

スクイーズアウトは企業経営において重要な戦略的手法であり、少数株主を排除し経営の自由度を高めることで、企業価値の向上を目指します。 この手法には5つの主要な目的と意義があります。
以下の項目について解説していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スクイーズアウトにより持株比率を100%にすることで、企業は完全な支配権を確立できます。 これにより、資産運用や組織再編、事業戦略の策定などをより円滑に行うことが可能になります。
完全支配権を持つことで、企業は株主間の利害対立を解消し、一元的な経営判断が可能となります。 持株比率100%化は、企業グループ全体の経営効率を高め、競争力強化につながる重要な戦略です。
スクイーズアウトの重要な目的の一つは、意思決定プロセスの迅速化です。 少数株主の排除により、重要な経営判断が迅速かつ効率的に行えるようになります。
新規事業への参入や大型投資など、重要な経営判断を迅速に実行できるようになります。 市場環境の変化に素早く対応できるため、ビジネスチャンスを逃したり経営リスクが増大したりする恐れが解消されます。
スクイーズアウトにより、企業は短期的な株価変動に左右されることなく、長期的な視点で経営戦略を立案・実行できるようになります。 四半期業績開示への対応義務から解放されます。
研究開発投資や人材育成など、短期的には利益を圧迫するが長期的には企業価値向上につながる施策を実行しやすくなります。 5年、10年先を見据えた一貫した経営方針の維持が可能になるでしょう。
特定の株主が企業を完全に支配し、非公開企業として運営するためにスクイーズアウトを実施するケースが増えています。 以下の2つのパターンが主要な手法です。
| 手法 | 概要 |
|---|---|
| MBOとの組み合わせ | 経営陣が自社株式を取得し、非公開化を実現 |
| 親会社による子会社の非公開化 | グループ経営の効率化と意思決定の迅速化 |
MBOとスクイーズアウトの組み合わせでは、通常まずTOBを実施し、その後スクイーズアウトにより残りの株式を取得します。 親会社による非公開化では、利益相反問題の解消や上場維持コストの削減が実現できます。
スクイーズアウトは事業再編や組織再編を円滑に進めるための手段としても重要です。 以下のような状況で特に有効性を発揮します。
少数株主の存在による事業再編計画の遅延リスクを解消できます。 企業グループ全体の競争力強化につながる、スムーズな組織改革が可能になるでしょう。

スクイーズアウトには経営効率化や税制上のメリットなど、6つの主要なメリットがあります。 以下に詳しく解説します。
それぞれ解説していきます。
スクイーズアウトにより株主数が減少することで、株主総会の運営が大幅に効率化されます。 株式をすべて経営者1人が所有すれば、書面で議案の同意を得ることができ、株主総会の実施を省略可能です。
通常の株主総会では多数の株主への通知送付、出席促進、議決権行使など多くの事務作業が発生しますが、これらが簡略化されます。 また、株主名簿管理や配当金支払いなどの株主関連業務も大幅に簡素化され、企業は本業に集中するための時間とリソースを確保できます。
スクイーズアウトの重要なメリットとして、株主代表訴訟リスクの軽減があります。 少数株主が多数存在すると、経営に批判的な株主による訴訟リスクが高まります。
株主代表訴訟とは、株主が企業の取締役や経営陣の不正行為や義務違反を理由に、企業に代わって訴訟を起こすことです。 スクイーズアウトにより少数株主を排除することで、こうした訴訟リスクを大幅に軽減できます。
スクイーズアウトには税制上の重要なメリットがあります。 2017年度の税制改正により、スクイーズアウトの税制が整備され、すべてのスクイーズアウト手法が同じ課税方法となりました。
特に連結納税を採用している企業グループにとっては、対象会社の税務上の繰越欠損金を連結納税に持ち込めるようになり、グループ全体での税負担の最適化が可能になります。 これにより、手法選択の自由度が高まったのです。
スクイーズアウトにより、企業グループ全体の経営戦略を一元化し、その実行力を強化できます。 少数株主の利益を考慮する必要がなくなるため、グループ全体の最適化を優先した意思決定が可能になります。
グループ内での経営資源の再配分や、事業ポートフォリオの見直しなどを少数株主の反対を気にせず実行できます。 企業グループ全体としての競争力強化と企業価値向上が期待できるでしょう。
上場企業は投資家向けの情報開示義務を負っていますが、スクイーズアウトにより非公開化することで、こうした情報開示負担が大幅に軽減されます。 四半期報告書や有価証券報告書の作成、適時開示など多くの情報開示業務が発生します。
| 開示業務 | 非公開化後のメリット |
|---|---|
| 四半期報告書 | 作成義務が消滅 |
| 適時開示 | 開示規則から解放 |
| IRコスト | 大幅削減 |
開示業務に割いていたリソースを本業に振り向けることができ、競合他社への経営情報漏洩リスクも軽減されます。
スクイーズアウトにより、企業は長期的な投資判断の自由度が向上します。 上場企業は四半期ごとの業績を重視する株主からのプレッシャーがあり、短期的な利益を優先せざるを得ないことがあります。
スクイーズアウト後は短期的なプレッシャーから解放され、5年、10年先を見据えた投資判断が可能になります。 例えば、短期的には利益を圧迫するが長期的には大きなリターンが期待できる研究開発投資や設備投資などを積極的に行えるようになり、企業の持続的な成長と競争力強化につながります。

スクイーズアウトには経営上のメリットがある一方で、実施に伴う重要なデメリットが存在します。 主に以下の4つのデメリットがあります。
それぞれ解説していきます。
スクイーズアウトを実施する際、少数株主への適正な対価支払いが必要となります。 高い企業価値を持つ企業であれば、高額な資金が必要になる可能性が生じます。
企業規模が大きくなるほど少数株主の数も増加するため、買取資金の準備が重要な課題となります。 事前に資金調達計画を立案し、キャッシュフローを適切に管理することが重要です。
十分な資金準備がないまま手続きを開始すると、資金不足により計画が頓挫するリスクがあります。
スクイーズアウトにおける株価算定は、少数株主との紛争を避けるために極めて重要です。 実行するに足る「合理的な理由」と「適正価格による株式の買い取り」が必要となります。
株価算定には主にDCF法、収益還元法、配当還元法などのインカム・アプローチが用いられます。 株式併合を利用した場合は、裁判所への売却許可申し立ての際に公認会計士等による株価の鑑定評価書の提出が必要です。
適正価格の決定には専門家の関与が不可欠であり、事前に公認会計士等に相談して株式のおよその評価額を確認しておくことが重要です。
スクイーズアウトは少数株主の権利を強制的に奪う手続きであるため、裁判に発展するリスクがあります。 少数株主が対価や手続きの公正性に異議を唱えた場合、法的紛争に発展する可能性が高まります。
| リスク | 対処方法 |
|---|---|
| 価格決定申立て | 客観的な株価算定書の取得 |
| 株主総会決議取消 | 適切な手続きの実施 |
近年の裁判例では、株主総会手続きの不備により決議が取り消される事例が見られます。 株価算定の根拠を明確にし、第三者機関による客観的な株価算定書を取得しておくことで、価格の公正性を担保することができます。
スクイーズアウトの実施には一定の時間が必要であり、スケジュール管理が重要です。 その過程で開示書面を作成したり、取締役会や株主総会を開催したりするため、一定の時間が必要となります。
| 手法 | 所要期間 |
|---|---|
| 特別支配株主の株式売渡請求 | 最速で20日 |
| その他の手法 | 3週間〜2ヶ月程度 |
選択する手法によって手続き完了までの余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。 時間的制約を考慮せずに計画を進めると、予定通りに完了せず、経営戦略全体に影響を及ぼす可能性があります。

スクイーズアウトを実施するには複数の手法があり、企業の状況や目的に応じて最適な方法を選択することが重要です。 主要な4つの手法と選択基準について解説します。
以下の項目について詳しく解説していきます。
それぞれ詳しく解説します。
特別支配株主の株式等売渡請求制度は、2014年の会社法改正で導入された比較的新しいスクイーズアウト手法です。 大株主が会社の承認を得たうえで少数株主の買取請求を行う方法です。
対象会社の総株主の議決権の90%以上を保有していることが必要であり、特別支配株主は1人または1社と規定されています。 株主総会決議が不要で手続きが比較的短期間で完結するため、迅速なスクイーズアウトを実現できます。
株式併合は、複数の株式を1株にまとめる手法です。 少数株主の保有株式を端数株式(1株未満の株式)にすることで、スクイーズアウトを実現します。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 併合比率の決定 | 少数株主の株式が1株未満となるように設定 |
| 株主総会での承認 | 特別決議による可決が必要 |
| 端数処理 | 裁判所の許可を得て売却し、代金を分配 |
端数株式の買取価格は裁判所が決定しますが、公認会計士等の鑑定評価書の提出が必要です。
全部取得条項付種類株式は、会社法が定める強制取得可能な種類株式の制度を応用したスクイーズアウト手法です。 かつては最もスタンダードな手法でしたが、現在は手続きが複雑なため利用頻度が減少しています。
主な手続きは以下の3つのステップです。
株主総会の特別決議が必要で、手続き期間が長期化する傾向があります。 現在では、より簡便な他の手法が主流となっています。
株式交換は、親会社が子会社を完全子会社化する際に用いられるスクイーズアウト手法です。 子会社の株式を親会社の株式や現金と交換することで、少数株主を排除します。
親会社と子会社の間で「株式交換契約」を締結し、効力発生日に株式の譲渡と対価の交付が行われます。 2017年度の税制改正により、現金対価株式交換も組織再編税制の適用を受けるようになりました。
スクイーズアウトの手法選択は、企業の状況や目的に応じて慎重に行う必要があります。 議決権保有比率が最も重要な選択要素となります。
| 議決権保有比率 | 推奨手法 |
|---|---|
| 90%以上 | 特別支配株主の株式等売渡請求制度 |
| 2/3以上90%未満 | 株式併合、株式交換 |
| 2/3未満 | TOB後のスクイーズアウト |
上場会社では適正な買取価格設定が重要で、非上場会社では株価算定が難しいため、事前に専門家への相談が必要です。 手続きの簡便さ、所要期間、コスト、税務上の取り扱いなどを総合的に考慮して選択することが重要です。

スクイーズアウトを実施するには、株価算定から情報開示、スケジュール管理まで、実務的な準備と手続きが必要です。以下では、スクイーズアウトを成功させるための3つの重要なステップについて解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スクイーズアウトを実施する際、適正な株価の算定は最も重要なポイントの一つです。 スクイーズアウトを行う場合は、実行するに足る「合理的な理由」と「適正価格による株式の買い取り」が必要となります。
適正価格の決定には複数の算定方法を組み合わせることが一般的で、専門家による客観的な評価が求められます。 株価が不当に低いと判断された場合、裁判所によって売渡請求の差止めを受ける可能性があるため、慎重な対応が必要です。
株価算定には主に3つの方法があります。 DCF法(Discounted Cash Flow法)は、企業の将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて算出する方法です。 企業の収益性や成長性など将来の不確定要素を比較的シンプルな計算式で求められるメリットがあります。
類似会社比較法は、同業他社の株価指標を参考に株価を算定する方法で、業界内での相対的な価値を把握できます。 市場株価法は、上場企業の場合、過去の一定期間の株価平均を基準とする方法です。
これらの方法を組み合わせることで、より公正で客観的な株価算定が可能になります。
スクイーズアウトでは、通常の市場価格にプレミアムを上乗せした価格で買取りを行うことが一般的です。 TOB価格は通常、市場価格や企業価値などから株価算定したうえで、一定のプレミア価格を乗せて募集するのが常です。
プレミアム率は業界や企業規模、市場環境によって異なりますが、一般的には20%~30%程度とされています。 プレミアム率が低すぎると少数株主の反発を招き、高すぎると買収側の資金負担が大きくなるため、バランスの取れた設定が重要です。
スクイーズアウトを実施する際は、適切な情報開示が法的に求められます。 透明性の高い情報提供は、少数株主の理解を得るとともに、法的リスクを軽減する重要な要素です。
上場会社がスクイーズアウトを実施する場合、金融商品取引法や取引所規則に基づく開示義務があります。 公開買付けの対象者は、金融商品取引法上の開示規制に基づき、意見表明報告書を提出する義務等を負います。 また、取引所の適時開示規制に基づき、公開買付けに関する意見表明等について適時開示する必要があります。
特に二段階買収(TOB後のスクイーズアウト)を予定している場合は、二段階目の買収手法(株式等売渡請求等)、その対価および実施予定時期等について、公開買付け開始決定に係るプレスリリースに記載する必要があります。 上場会社は、TDnet(Timely Disclosure network)を利用して情報開示を行います。
適時開示には適時性や速報性が求められるため、法定開示よりも先に行うことが一般的です。
非上場会社の場合も、会社法に基づく株主への通知義務があります。 特に株式併合を利用したスクイーズアウトでは、株主総会の招集通知に加え、株式の併合に関する資料を本店に備え置く必要があります。
また、特別支配株主の株式等売渡請求制度を利用する場合は、少数株主に対して株式取得日の20日前までに売渡請求の旨を通知する必要があります。
スクイーズアウトの実施には一定の時間が必要であり、手法によって所要期間が異なります。 その過程で開示書面を作成したり、取締役会や株主総会を開催したりするため、どうしてもある程度の時間が必要となります。
スクイーズアウトの手法によって所要期間は大きく異なります。 最も簡易な方法でも3週間程度、長い場合は2ヶ月程度の期間が必要となることもあります。
特別支配株主の株式等売渡請求制度は、株主総会決議が不要で比較的短期間で完了します。 株式取得日の20日前までに少数株主への通知が必要なため、最短でも20日程度の期間が必要です。
一方、株式併合によるスクイーズアウトは、株主総会の招集、開催、端数処理のための裁判所への許可申立てなど、複数のステップが必要となるため、より長い期間を要します。
スクイーズアウトを円滑に進めるためには、クリティカルパス(全体の所要期間を左右する重要なプロセス)を特定し、適切に管理することが重要です。 特に裁判所の許可が必要な手続きや、法定の通知期間が設けられているプロセスは、全体スケジュールに大きな影響を与えます。
具体的な手続きの流れとしては、「株主総会→株主への通知→裁判所に許可申し立て→会社による買い取り」という順序で進めることが一般的です。 各ステップの所要期間を正確に把握し、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

スクイーズアウトは少数株主にとって強制的な株式売却を意味するため、自身の権利と取り得る対応を理解しておくことが極めて重要です。 主要な5つのポイントについて解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
少数株主は会社法によって様々な権利が保障されています。 保有する株式に応じて株主総会招集請求権や株主総会招集権、株主提案権、会計帳簿閲覧権、取締役等の解任請求権などが認められており、これらを少数株主権といいます。
これらの権利は、多数派株主による濫用的な権利行使から少数株主を保護するために設けられています。 少数株主権を行使するためには、株式総数の一定以上の保有が必要です。例えば、株主総会招集請求権には議決権の3%以上の保有が必要とされています。
基本的に、スクイーズアウトは多数株主の意向によって進められるため、少数株主が単独で拒否することは困難です。 少数株主がスクイーズアウトに反対したとしても、会社としては少数株主に適正な対価を支払うことで、強制的に手続きを進められます。
ただし、以下のケースでは裁判所に対して差止めの申立てが可能です:
特に上場廃止を伴うスクイーズアウトや支配株主によるスクイーズアウトの場合には、第三者委員会の設置など公正性を担保する措置が求められます。
株式買取請求権は、会社の重要な決議に反対する株主が、自己の保有する株式を公正な価格で買い取るよう会社に請求できる権利です。 スクイーズアウトに反対する株主は、この権利を行使することができます。
| 手続きステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 会社が買取請求権の通知・公告 |
| 2 | 株主は反対を通知 |
| 3 | 株主総会で反対票を投票 |
| 4 | 株式買取請求権を行使 |
| 5 | 価格協議・決定(協議が整わない場合は裁判所に申立て) |
株主は株主総会で実際に反対票を投じる必要があります。 会社は組織再編行為の効力発生日の20日前までに、株主に公告または通知をしなければなりません。
スクイーズアウトは株価に大きな影響を与えます。 特にTOBと組み合わせたスクイーズアウトでは、TOB価格の発表によって株価が大きく変動することがあります。
スクイーズアウトが発表されると、一般的にはTOB価格に向けて株価が収斂する傾向があります。 市場はTOBの成功確率も織り込むため、TOB価格と株価の間にはある程度の乖離が生じることもあります。
プレミアム率については、一般的には20%~30%程度とされていますが、業界や企業規模、市場環境によって異なります。 プレミアム率が低い場合は少数株主からの反発を招き、高すぎると買収側の資金負担が大きくなるため、バランスの取れた設定が重要です。
スクイーズアウトにより株式を売却した場合、確定申告における税務処理が必要になります。 特に、みなし配当と譲渡所得の区分は重要なポイントです。
| 税務処理項目 | 内容 |
|---|---|
| みなし配当 | 利益積立金に対応する部分(配当所得の税率が適用) |
| 譲渡所得 | 資本金等の額に対応する部分(株式等譲渡所得の税率が適用) |
2017年度の税制改正により、スクイーズアウトの4つの手法すべてで同様の税負担となりました。 特定口座で保有している株式の場合、みなし配当部分については特定口座での源泉徴収の対象外となる場合があるため、確定申告が必要になることがあります。

スクイーズアウトは近年、多くの日本企業で実施されており、その目的や手法、結果は多岐にわたります。 以下では、代表的な事例を分析し、それぞれの目的や手法、結果について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
セコム株式会社は、2024年11月に株式会社パスコの完全子会社化を実施しました。 グループ内の経営効率化と事業シナジーの最大化が主な目的でした。
セコムはまずTOB(株式公開買付け)を実施し、その後株式併合を行うことでパスコの少数株主を排除しました。 この二段階方式により、パスコはセコムの完全子会社となり、上場廃止となりました。
2023年1月、住友商事株式会社は住友精密工業株式会社の完全子会社化を実施しました。 グループ内での事業統合と経営資源の最適化が目的でした。
住友商事は公開買付けで議決権所有割合83.80%を取得後、2023年2月16日の臨時株主総会においてスクイーズアウト手続きを決議しました。 完全子会社化により、両社の技術やノウハウを融合させ、グループとしての競争力強化を実現しています。
2024年6月、永谷園ホールディングスは非公開化を決定し、スクイーズアウトを実施しました。 長期的な経営方針の推進と迅速な意思決定の実現が主な目的でした。
エムキャップ十二号株式会社がTOBを通じて大半の株式を取得後、株式併合によって少数株主の株式を整理しました。 これにより、短期的な株価変動に左右されない経営が可能になりました。
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、特別支配株主の株式等売渡請求制度を活用したスクイーズアウトの代表的事例です。 ゲームアーツの株式を90%以上保有していたため、この手法を採用しました。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 適用条件 | 90%以上の議決権保有 |
| 手続き | 株主総会決議が不要 |
| 目的 | オンラインゲーム業界での競争力強化 |
この手法により、ゲームアーツを完全子会社化し、経営資源の効率的な活用を実現しました。
雪国まいたけは、全部取得条項付種類株式を利用したスクイーズアウトの事例として知られています。 2015年に外資系投資ファンドのベインキャピタルがTOBで買収後、スクイーズアウトを実施しました。
ベインキャピタルはTOBを実施後、全部取得条項付種類株式の手法で残りの株式を強制的に取得しました。 非公開化により、短期的な業績向上圧力から解放され、長期的な視点での経営戦略の実行が可能になりました。
パイオニアの完全子会社化は、経営再建を目的としたスクイーズアウトの事例です。 経営難に陥っていたパイオニアは、投資ファンドによる資本注入と完全子会社化によって再建が図られました。
二段階方式でまずTOBによって大半の株式を取得し、その後残りの株式を強制的に取得しました。 この事例は、経営危機にある企業の再建手段としてのスクイーズアウトの有効性を示しています。
日本と海外ではスクイーズアウトの法的枠組みや実施方法に違いがあります。 米国や欧州では、少数株主保護の観点からより厳格な規制が設けられている一方、手続きの柔軟性も確保されています。
| 国・地域 | 主な特徴 |
|---|---|
| 米国(デラウェア州) | 「合併スクイーズアウト」が一般的 |
| 日本 | 2014年改正で特別支配株主制度を導入 |
日本では特別支配株主の株式等売渡請求制度が導入されたものの、依然として手続きの複雑さや時間的制約が課題となっています。

スクイーズアウトの実施には少数株主保護、取締役の責任、情報開示、専門家活用の観点からの配慮が不可欠です。 主要な4つの留意点について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スクイーズアウトでは少数株主の権利を強制的に奪うため、少数株主保護の観点からの配慮が重要です。 少数株主は以下の権利を行使できます。
| 権利の種類 | 内容 |
|---|---|
| 差止請求 | 不正な手続きの差止め |
| 株式買取請求 | 適正価格での買取要求 |
| 価格決定申立て | 裁判所による価格決定 |
| 決議取消し訴訟 | 株主総会決議の無効化 |
買取価格が低すぎる場合、訴訟リスクが高まります。 適正な買取価格の設定と、少数株主に対する丁寧な説明が重要です。
スクイーズアウトを実施する際、取締役には善管注意義務が課せられます。 会社法第330条により企業と委任関係にあるとされ、会社法第355条により忠実義務も課せられています。
スクイーズアウトの意思決定においては、その判断が会社や株主全体の利益に合致しているかを慎重に検討する必要があります。 特にMBOなど経営陣自身が買収者となる場合は、利益相反の問題が生じます。
善管注意義務違反が発覚した場合は、以下の対応が必要です:
スクイーズアウトを実施する際は、適切な情報開示が法的に求められます。 上場会社は金融商品取引法や取引所規則に基づく開示義務があり、非上場会社でも会社法に基づく通知義務があります。
二段階買収(TOB後のスクイーズアウト)を予定している場合は、以下の情報をプレスリリースに記載する必要があります:
情報開示の不備は訴訟リスクを高めるため、開示内容の正確性と適時性が重要です。
スクイーズアウトの公正性を担保するためには、外部の専門家の活用と第三者委員会の設置が有効です。 社外取締役が構成員として最も適切であるとされています。
第三者委員会の役割は以下の通りです:
また、株価算定や法的手続きについては、外部の専門家(財務アドバイザーや法律事務所)の助言を得ることで、手続きの適正性を確保できます。

スクイーズアウトを検討する企業や投資家からは、手続きや影響に関して多くの疑問が寄せられます。 以下では、これらのよくある質問について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スクイーズアウトに必要な議決権比率は、選択する手法によって異なります。 特別支配株主の株式等売渡請求は90%以上の議決権が必要となります。
| 手法 | 必要な議決権比率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特別支配株主の株式等売渡請求 | 90%以上 | 株主総会決議不要 |
| 株式併合 | 2/3以上 | 株主総会特別決議が必要 |
| 全部取得条項付種類株式 | 2/3以上 | 株主総会特別決議が必要 |
| 株式交換 | 2/3以上 | 株主総会特別決議が必要 |
議決権比率の要件は会社法で定められており、スクイーズアウトを実施する前に自社の株主構成を確認することが重要です。 必要な議決権比率を確保できない場合は、まずTOBなどで株式を買い集める必要があります。
スクイーズアウト後、少数株主は株主としての地位を失い、代わりに金銭などの対価を受け取ります。 株主構成が整理されることで、経営の安定性が向上します。
スクイーズアウト後の株主構成がシンプルになることで、意思決定の迅速化や長期的視点での経営が可能になります。 少数株主にとっては強制的に株主の地位を失うことになりますが、適正な対価が支払われることで経済的な補償を受けられます。
スクイーズアウトされた株式の税務処理は、2017年度の税制改正により統一されました。 改正後は現金対価株式交換も組織再編税制の適用を受けるようになり、スクイーズアウトの4つの手法すべてで同様の税負担となりました。
| 税務処理の種類 | 内容 |
|---|---|
| みなし配当 | 利益積立金に対応する部分(配当所得として課税) |
| 譲渡所得 | 資本金等に対応する部分(株式譲渡損益として課税) |
株式の対価として受け取った金額は、みなし配当と譲渡所得に区分されます。 特定口座で保有していた株式の場合、証券会社による源泉徴収が行われますが、みなし配当部分については確定申告が必要になることがあります。
基本的に、スクイーズアウトを少数株主が単独で拒否することは困難です。 会社としては少数株主に適正な対価を支払うことで、強制的に手続きを進められます。
ただし、以下の場合には裁判所に対して差止めの申立てが可能です:
また、少数株主は「差止請求」「反対株主の株式買取請求」「価格決定の申立て」「株主総会決議取消しの訴え」などの権利を行使できます。 企業側は適正な価格設定と丁寧な説明を心がけるべきです。
スクイーズアウト時の適正な買取価格は、複数の株価算定方法を用いて決定されます。 実行するに足る「合理的な理由」と「適正価格による株式の買い取り」が必要です。
| 算定方法 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| DCF法 | 将来キャッシュフローの現在価値 | 将来性を考慮 |
| 類似会社比較法 | 同業他社の指標を参考 | 業界内の相対評価 |
| 市場株価法 | 市場価格を基準 | 上場企業で一般的 |
上場企業の場合は市場価格にプレミアムを上乗せするのが一般的で、プレミアム率は通常20%~30%程度とされています。 裁判所は株式公開買付が行われている場合、原則として公開買付価格と同額を株式買取価格とするべきだと判断する傾向にあります。
スクイーズアウトは経営効率化と企業価値向上に繋がる重要な手法です。 意思決定の迅速化やコスト削減等、長期的な経営戦略を可能にします。
成功の鍵は、状況に応じた最適な手法選択と、少数株主への適正価格提示や丁寧な情報開示です。法的リスクを抑えるため専門家の活用も重要となります。短期的な負担はあっても、経営の自由度向上といった長期的メリットは大きく、戦略的選択肢として検討に値するでしょう。
Q1サジェスト対策はどのくらいで効果が出ますか?
キーワードにもよりますが、早くて2日程度で効果が出ます。
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Q4掲示板やSNSのネガティブな投稿を削除依頼しても受理されないのですが、対応可能ですか?
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Q5依頼内容が漏れないか心配です。
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ご依頼の際は他社さまとどのようなご契約、対応がなされたのかをすべてお伝えください。
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