Google・Yahooのサジェスト削除方法!汚染を放置した場合の影響
検索エンジンのサジェストは、検索したいキーワードを入力するだけで一緒に検索されることの多いキーワードを表示してくれる、便利な機能です。
入力の手間を省けるうえに、サジェストから気になる単語を見つけて、自分が知らなかった情報を知るきっかけにもなります。
しかし、Googleサジェストに個人名や社名を入力したとき、思わぬネガティブなキーワードが表示されてしまうケースもあります。
このような、表示されたくないキーワードが表示されてしまった場合に削除する方法はあるのか、また放置するとどのような影響が考えられるのか、などを解説いたします。
サジェストとは
サジェストとは、GoogleやYahooなど検索エンジンでフォームに文字を入れた際に表示される、検索の予測キーワード一覧のことです。
たとえば「スマホ」と入力すると、その下に「スマホ おすすめ」「スマホ 機種変更」などのキーワードが表示されます。これがサジェストです。
サジェストは英語で「提案する」「連想させる」などを意味します。その訳のように、一緒に検索されることの多い関連キーワードを提案する機能です。
サジェストが表示される仕組み
サジェストが表示される仕組みはGoogleとYahooで違いがあり、同じキーワードを入力しても、サジェストが違う場合も多いです。それぞれの仕組みについて解説いたします。
Googleサジェストの仕組み
Googleの検索エンジンは、サジェストの表示を次のような基準で判断しています。
- 検索クエリ(ユーザーが検索で入力した語句)の過去の検索件数
- そのクエリを文章に含む関連サイトの多さ
関連サイトの多さも半さん基準にすることで、サジェストをクリックしても解説しているサイトが少ない、という事態を防いでいます。
Yahooサジェストの仕組み
Yahooの検索エンジンは、サジェストの表示に関して検索クエリの検索件数をもっとも重視しています。
そのため、ニュースや掲示板、SNSなどで一気に話題になったトレンドのキーワードがサジェストにも反映されやすいです。
サジェストの『汚染』
このサジェストに、ネガティブな印象を与えるキーワードが表示されてしまうことを、サジェスト汚染といいます。たとえば、次のようなものが挙げられます。
- ブラック企業
- パワハラ
- 怪しい
- 詐欺
- 訴訟
- 逮捕
このようなキーワードでの検索件数が多かったり、それに関する情報を掲載しているページが多かったりすると、サジェストとして表示されるようになってしまうのです。
なかには、上記でご紹介したGoogleやYahooのサジェストの仕組みを悪用し、競合他社を陥れるため、故意にサジェストが汚染するよう仕向けるケースもあります。
サジェスト汚染が与える影響
個人名や企業名とともにネガティブな印象を与えるキーワードが表示されれば、事実かどうか関係なく、ひと目見て悪いイメージを思い浮かべる人も少なくないでしょう。
たとえば、サービスの利用を検討する人が社名を調べて「詐欺」、採用希望者が「ブラック」といったキーワードを見たら、不安になってしまうかもしれません。
こうなると、検索キーワードひとつで売上の低迷や採用希望者の減少などの被害を受けてしまうおそれがあります。
とくに、ネガティブな印象のキーワードは興味をもたれやすいためクリックもされやすく、汚染した状態を放置しておくと、さらに検索件数が増えてしまいます。
Googleサジェストの削除方法
Googleでサジェストを削除してもらうには、以下の2つの方法があります。
「法律に基づく削除に関する問題を報告する」から削除申請
Googleは「オートコンプリートポリシー」に違反するコンテンツに関して、表示を防ぐシステムを導入しています。違反するコンテンツは以下のような内容です。
引用:Google のオートコンプリートの候補の仕組み
- 危険なコンテンツ
- ハラスメント コンテンツ
- ヘイト コンテンツ
- 露骨な性表現を含むコンテンツ
- テロに関するコンテンツ
- 暴力や流血
- 下品な言葉や冒とく的表現
上記内容であれば削除に応じる可能性があります。
サジェスト汚染のキーワードが上記のいずれかに該当する場合、Google公式サイト内「法律に基づく削除に関する問題を報告する」フォームから削除申請が可能です。
申請フォームの各項目に必要事項を入力して送信すれば報告できます。「法律の条文を引用し」と記載があるため、法的な根拠を示すことで、より削除に応じてもらいやすくなるでしょう。
「不適切な検索候補の報告」から削除申請
Googleの検索フォームにキーワードを入力した際、右下に「不適切な検索候補の報告」というリンクが表示されます。

このリンクをクリックし、削除したいサジェストとその理由を選択して送信するだけで、Googleに報告がおこなえます。
これは、Google側が表示する検索候補の分析の材料に使うためであるため、報告によりかならず削除してもらえるものではありません。
Yahooサジェストの削除方法
Yahooでサジェストの削除申請は、「Yahoo! JAPANヘルプセンター Yahoo!検索 – お問い合わせフォーム」からおこないます。
問い合わせの際は、Yahooにログインした状態でIDの連携に同意したうえで、以下の3点について入力する必要があります。
- ①お問い合わせの内容
- 「検索結果の表示・変更・削除について」を選択します。
- ②検索結果ページのURL
- そのキーワードを検索した結果ページのURLをアドレスバーからコピーして入力します。
- ③お問い合わせの詳細
- 削除を希望する理由を入力します。
申請が受理された場合、最短で1日、平均1週間前後で対応されるようです。
削除申請が通らなかった場合の相談先
削除申請をしても、Google・Yahooが削除に値する内容であると判断しなければ、サジェストの削除には応じてもらえません。
申請が受理されなかった場合は、風評対策業者や弁護士など専門家に相談するという方法があります。
風評対策業者に依頼する
風評対策業者とは、削除したいサジェストが表示されないようにする施策の実施など、おもにインターネット上での風評被害を解決するサービスを提供している会社です。
サジェスト汚染には「逆SEO」という手法が使われることが多く、これは「社名+住所」「社名+会社概要」など、一般的なキーワードがサジェストに表示されるように施策し、ネガティブなキーワードを押し下げるものです。
さまざまなノウハウを駆使して風評被害の対処がおこなえるため、どうすべきか相談してみるのもよいでしょう。弁護士に依頼するより早く、リーズナブルに対処できる場合も多いです。
ただし、弁護士と提携していないのに、弁護士しか権限のないサジェスト・記事削除等の示談交渉の代行を謳っている業者は違法であるため、注意してください。
弁護士に依頼する
弁護士は本人に代わって唯一、削除申請やサジェスト、記事削除等の示談交渉の代行がおこなえる第三者です。
弁護士は法律の専門家であるため、本人が削除申請するより、法的な根拠を示して説得力のある内容で申請をおこなえるため、削除してもらう確率が高くなります。
費用は高額になりやすいですが、法的な手段により確実にサジェストを削除したいということであれば、弁護士に相談するとよいでしょう。
まとめ
Google・Yahooのサジェストを削除する方法や、サジェスト汚染の影響などについて解説いたしました。
最近は、人や企業、商品についてなど気になる情報はネットで検索して調べる人も多いため、サジェスト汚染を放置していると、想像以上に大きな影響を及ぼす場合もあります。
サジェスト汚染の被害を受けてしまった場合、まず削除申請を送信してみるか、難しい場合は風評対策業者や弁護士など、専門家に相談してみるのもよいかもしれません。
エゴサーチとは?やり方とメリット・デメリットを解説
自分自身や自社サービスについての評判をインターネット上の検索情報から調査するエゴサーチは、個人だけでなく企業のマーケティングでもおこなわれます。
エゴサーチでサイトやSNS、ブログ記事などに書かれたユーザーの意見を知ることで、今後の集客やサービス改善の参考にすることが可能です。
この記事では、企業や個人がおこなうエゴサーチについて、その方法とメリット・デメリット、誹謗中傷の書き込みを見つけたときの対処法などを解説します。
エゴサーチとは
エゴサーチとは、自身や自社・サービスなど自分が関わっていることの「評判」について、インターネット上でチェックすることです。
Googleなどの検索エンジンやTwitterなどのSNSで自身の名前などを検索すると、世間でどんな意見を持たれているのかを知ることができます。
特に、ビジネスをおこなっている企業や個人活動をしている方の場合は、エゴサーチで自らについて人々が感じている良いことや悪いことがわかり、先々の戦略や目指す方向決めに役立ちます。マイナスイメージを見つけることで、リスク対策も可能です。
エゴサーチは「ego」(自己)、「search」(調べる)の単語を組み合わせた言葉で、海外ではエゴサーフィン(egosurfing)と呼ばれます。
エゴサーチのやり方
エゴサーチは、検索エンジンとSNSでおこなうことが多いです。例えば次のような項目を検索します。
- 自分や企業の名前
- ハンドルネーム
- 商品名
- サイト名、URL
- 住所
- 電話番号
- 記事タイトル
など、自身の情報を逃さず、できるだけ多く的確に抽出するにはコツがあります。媒体ごとの主な調査方法を紹介します。
検索エンジン(Google・Yahoo!)でのエゴサーチ方法
次の方法で検索すると、知りたい情報を逃さず表示しやすくなります。
キーワードに完全一致したページのみ表示する

「”A商品”」など、調べたいキーワードを「””」(ダブルクォーテーション)で囲んで検索すると、品詞が分解されたあいまいなページは表示されず、入力したキーワードと完全一致するキーワードが存在するページが表示されます。長いキーワードや製品の型番を調べるときに便利です。
すべてのキーワードを含むページを表示する

「A商品 and B商品」など、キーワードの間を「and」またはスペースで区切ると、入力したすべてのキーワードを含むページが表示されます。
いずれかのキーワードを含むページを表示する

「A商品 or B商品」など、キーワードの間を「or」で区切ると、いずれかのキーワードを含むページが表示されます。
AかBいずれかのキーワードを含み、かつCを含むページを表示する

「(A商品 or B商品)C」など、()内のキーワードをORで区切り、その後の()外にキーワードを入力すると、AかBいずれかのキーワードを含み、かつCを含むページが表示されます。
特定サイトを表示しない

「A商品 -site:除外したいサイトのURL」と検索すると、自社サイトなどを除外したページが表示されます。
Twitterでのエゴサーチ方法
Twitterでエゴサーチする基本操作は、検索ボックスにキーワードを入力するだけです。検索ボックスへの入力方法を工夫することで、より精度の高い検索が可能になります。

サイトURLの検索
サイトのエゴサーチをする場合は、検索ボックスにURLを入力します。ただし、そのままURLを入力するのではなく、「http://」または「https://」を除いて入力します。

#タグ(ハッシュタグ)の検索
#タグ(ハッシュタグ)を検索するときは、「#キーワード」のようにキーワードの前に「#(シャープ)」をつけて入力します。

特定のアカウントの投稿だけを検索
特定のアカウントを指定して検索したいときは、「from:アカウント名」を末尾につけて検索します。
「キーワード」「半角スペース」「from:アカウント名」という順で入力します。

特定のアカウントを除いた検索
特定のアカウントを除いて検索したいときは、「-from:アカウント名」を末尾につけて検索します。
「キーワード」「半角スペース」「半角のハイフン」「from:アカウント名」という順で入力します。

PC版だけできる高度な検索
PC版のTwitterには、「高度な検索」機能があります。

高度な検索画面は、下記のURLからアクセスできます。
URL:https://twitter.com/search-advanced
また、PC版のTwitterでは「検索を保存」を使うと、検索したキーワードを保存できます。
使い方は検索後、画面右側の「・・・」をクリックし、「検索を保存」をクリックします。

Instagramでのエゴサーチ方法
Instagramでは、エゴサーチ対象の名前や店名などのキーワードを検索ボックスに入力し、ハッシュタグ検索をします。

写真がメインなので、お店・商品の感想や、どれほどの人が投稿しているかをチェックできます。
エゴサーチのメリット
エゴサーチには、次のような2つのメリットがあります。
知名度・評価を知ることができる
企業の場合は、商品やサービスを購入・利用したお客さんの声や、購入を検討している・迷っている人の声を知ることができます。
良かった点や不満点を集めて分析する、出てくる情報が少なければ関心が低い理由を考えるなど、マーケティングの1つとして今後の販売や商品開発に活かすことが可能です。
個人の場合、インターネット上に自分の評価が書かれていたり、投稿が話題になっていたりしているか確認できます。特に、何かの活動やサイト・ブログ運用などをおこなっている場合、評価を知ることで自身を客観的に見られます。
SNSのフォロワーが多い、頻繁に何かをアップしている、人前に立つことがあるといった方は、情報が出てきやすいです。
本音を知ることができる
インターネット上の意見はほとんどが匿名のため、相手に直接言えないような内容が出ていることがあります。気軽に投稿できるサイトでは、何気ない一言に情報が出る場合もあります。
SNSでは日常の投稿から、自社が実施するアンケート調査では出てこないリアルな感想が見られやすいです。
エゴサーチのデメリット
エゴサーチをすると、次のようなデメリットが生じることもあります。
エゴサーチがバレるリスクがある
インターネット利用者の中には、エゴサーチされることを嫌う人もいます。その場合、エゴサーチしていることをその人たちに知られると、マイナスイメージを持たれてしまうことがあります。特に、有名な方は気をつけてください。
企業の場合、マーケティングとしてエゴサーチしていることは大きく出さず、消費者意見収集などとして調査するほうがよいでしょう。
ネガティブな意見を見つけてしまう恐れがある
自身についてのことや関わったことへの低評価や悪口を見てしまうと、誰でもショックを受けます。特に人気・有名なものほど、ポジティブな意見ばかりではありません。
批判が多いものと覚悟した上で見るのがおすすめです。精神的に良い状況でないときはやらないほうがよいでしょう。
誹謗中傷の書き込みを見つけたときの対処法
くり返されるひどい悪口や風評被害につながりかねない書き込み、事実無根の情報など悪質なものは、削除依頼や通報ができます。
書いた人がわかっている場合、直接削除を依頼します。削除してくれない、誰が書いたか不明なときは、サイト管理者への削除依頼や、SNSなどの運営会社に通報します。
それでも削除されない場合、プロバイダに削除依頼ができます。削除条件として人権侵害が認められる必要などがあるため、下記のようなサイトを確認してください。
また、各都道府県警察本部のサイバー犯罪対策室に相談する方法もあります。就職活動や経営に影響しそうな場合は、対処するのがおすすめです。
まとめ
エゴサーチについて紹介しました。効率的なやり方で、欲しい情報を見つけるのが重要です。
良い反応を見つけたらシェアやリツイートすることで、マーケティングにつながります。知名度や売上を伸ばしたい、伸び悩んでいる理由を知りたい場合は、エゴサーチの結果を今後の参考にしてみてください。
発信者情報開示請求とは?手続きの方法・流れ
ネットの掲示板やSNSにおいて、誹謗中傷やプライバシーを侵害している書き込みがされた場合、その犯人を特定することで慰謝料の請求などがおこなえます。
そんなときに必要となるのが「発信者情報開示請求」と呼ばれる手続きです。これは具体的にどのようなものなのか、またその方法や流れについて解説します。
発信者情報開示請求とは
発信者情報開示請求とは「プロバイダ責任制限法第4条」に基づき、悪質な書き込みをおこなった人物の身元を開示するよう、プロバイダに求めることです。
開示請求は個人でもおこなうことができますが、弁護士に代行してもらうこともできます。任意開示ではありますが、プロバイダ側が請求に応じない場合は強制する方法もあります。
書き込んだ人物を特定するには
悪質な書き込みをおこなった人物(発信者)の身元特定には、つぎのような流れで発信者情報開示請求をおこなう必要があります。
- STEP1:書き込まれたサイトの運営者に発信者情報開示請求(IPアドレス)
- →応じない場合は裁判所の仮処分
- STEP2:IPアドレスと利用プロバイダが判明
- STEP3:プロバイダに発信者情報開示請求(個人情報)
- →応じない場合は仮処分もしくは訴訟
- STEP4:プロバイダが発信者の氏名・住所などの情報が判明
発信者情報開示請求の方法・流れ
では、発信者情報開示請求をおこなう方法と流れを解説します。
発信者情報開示請求書の作成
まずは、発信者情報開示請求書という書面を作成する必要があります。自分でおこなう場合、「プロバイダ責任制限法 関連情報Webサイト」にて書式が用意されているので、こちらの利用がおすすめです。
発信者情報開示請求書の記入例
- [貴社・貴殿]が管理する特定電気通信設備等
- 書き込みが行われたサイトのURL
- 掲載された情報
- どのような内容かの要約、たとえば「私(名前)についての事実と異なる名誉毀損」など
- 侵害された権利
- 「名誉毀損」「プライバシー侵害」など
- 権利が明らかに侵害されたとする理由
- 書き込まれた内容のどの部分が、どの権利を侵害しているのか、なにが事実と異なるのか、などを具体的に説明します。
これより以下の項目は当てはまるものに○をつけてください。「開示を請求する発信者情報」に関してはすべて○をつけるのが無難です。なお、手書きとパソコンどちらでも問題ありません。
発信者情報開示請求を申し立てる
上記のように作成した発信者情報開示請求書は、サイト運営者に簡易書留で送付してください。その際、以下のものを同封します。
- 発信者情報開示請求書
- 該当の書き込みのコピー
- 本人・法人確認書類のコピー(有効期限を要確認)
サイト運営者(プロバイダ)による審査
サイト運営者(もしくはプロバイダ)に発信者情報開示請求が届くと、その内容を確認したうえで、開示するかどうか審査をおこないます。請求に強制力はないため、開示を拒否する可能性があります。
請求が拒否された場合、裁判所の命令により勝訴と同様の状態を確保できる「仮処分」を申し立てることで、強制的に開示を命令することが可能です。
発信者情報の開示
情報開示請求、もしくは仮処分により発信者情報が取得できたら、名誉毀損の慰謝料を請求できます。その場合、相手住所に内容証明郵便で慰謝料の請求書を送ります。応じない場合、訴訟も起こせます。
また、内容が悪質であれば、警察に被害届を提出するという手段もあります。
発信者情報開示請求は成功率が低い
開示請求は個人でおこなうことができ、送料程度の費用しか掛かりませんが、これを受け取ったサイト運営者やプロバイダがスムーズに情報を開示する可能性は低いといわれています。
プロバイダに対して請求をおこない、4~7ヶ月ほどで審査の結果が出ますが、プロバイダ側は発信者情報をおよそ3ヶ月しか保有しません。時間が掛かるほど情報が失われる恐れがあります。
そのため、書き込みを発見次第すぐに対応をおこなう、もしくは弁護士に依頼して仮処分の申し立てを代行してもらうことで、情報が失われる前に開示してもらえやすいです。
まとめ
サイト運営者やプロバイダは、このような依頼を受けることが多く、また請求者の主張が誤っている場合もあることから、すんなりとは情報を開示しません。
そのため、書き込んだ人物を確実に特定したいという個人、法人の多くは弁護士に依頼するケースが多いようです。
弁護士費用は決して安くありませんが、損害賠償の請求が可能と思われるケースでは、仮処分の際に支払った弁護士費用も損害として認められる場合もあります。
ネットで誹謗中傷されたときの対処法|困ったときの相談先
個人名もしくは会社名などでネット掲示板やSNSに誹謗中傷の投稿がされた場合、そのまま放置してしまうのは危険です。ネットの情報は、削除しないと残ってしまいます。
そのため、投稿から時間が立つほどより多くの人の目にさらされ、周囲に誤解を受けたり、さらにその噂を広められたりする可能性があります。
このようなとき、どのように対処するのが正しいのか、その対処法と困ったときはどこに相談すればよいのか、まとめてご紹介します。
ネットで誹謗中傷されたときの対処法
早速、ネットで誹謗中傷の投稿をされてしまった場合の対処法について解説します。
誹謗中傷の証拠保全
誹謗中傷の内容を発見したら、すぐに証拠の保全をおこなってください。投稿した本人が内容を削除したり、ブロックされて見られなくなったりすると、通報がむずかしくなる可能性があります。
投稿内容のスクリーンショットを取る方法もありますが、投稿されたページのアドレスを特定する必要があるため、ブラウザの印刷メニューから、「PDFに出力」という形で残すのがお勧めです。
サイト管理者に削除を依頼する
削除依頼の手順としては基本的に、お問い合わせフォームに証拠の画像、もしくは投稿URLなどを記載し、どの記述が誹謗中傷にあたるかを簡潔に説明して送信します。
運営側はその通報内容を見て、削除が相応と判断した場合に削除を実施します。判断次第ではそのまま放置となります。通報しても削除されない場合、裁判所の仮処分をおこなうことで強制執行ができます。
仮処分は個人でもできますが、弁護士に頼むと面倒がありません。詳しい削除依頼の方法については以下の記事を参考にしてください。
専門家に相談する
最近はネットでの誹謗中傷に詳しい弁護士や、誹謗中傷の投稿がされた場合に該当の投稿を検索サイトから見えなくするサービス(逆SEO)を実施する企業も増えています。
このような専門家で多くのケースを扱った実績があれば、スムーズに解決してくれるでしょう。初回相談は無料というところが多いので、試しに話だけでも聞いてみるのもよいかもしれません。
ネット風評被害に遭ったときの相談先
ネット風評被害に遭った場合に大きく炎上してしまうと、自分一人では収拾がつかなくなることもあります。そのような場合には以下のような相談先を頼ることも検討するとよいでしょう。
警察
個人の場合であれば、警察のサイバー犯罪相談窓口に相談する方法があります。ただ、警察は事件性がなかったり、犯罪の証明がむずかしかったりするケースだと、対応できない可能性が高いです。
事件性のある投稿というのは、たとえば脅迫や殺害などの犯行予告、リベンジポルノのように写真を晒されたといった実被害のあるものなどをいいます。
警察署またはサイバー相談窓口に相談するとよいでしょう。
» 警察庁サイバー犯罪対策プロジェクト『都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口一覧』
弁護士
ネット風評被害に詳しく、実績のある弁護士であれば、スムーズに解決してくれます。それなりに費用はかかりますが、弁護士に依頼すればほぼ確実に削除をしてもらうことができます。
成功報酬で請け負う弁護士に依頼すれば、投稿の削除に至らなかった場合に費用が発生しないので、安心して依頼しやすいでしょう。
ただ、ネットの問題に疎い弁護士に依頼すると、解決がむずかしくなる場合があるので、ネット誹謗中傷に強いことを謳っている弁護士への依頼がおすすめです。
風評被害対策の専門業者
専門業者とは、おもに「該当の投稿を検索サイトに表示されないようにする(逆SEO)」「ネットに強い弁護士の紹介」「風評被害の監視」「風評被害を防ぐ対策の提案」などのサービスを実施します。
風評被害の投稿が多く、すべてを弁護士に依頼しきれないという場合や、事前に被害を防ぎたいという場合に効果的です。
専門家に依頼することで可能になること
ネットの誹謗中傷に詳しい弁護士や専門業者に依頼することで、つぎのようなことが可能になります。
書き込んだ人物の特定
「発信者情報開示請求」をおこなうことで、書き込んだ人物を特定できます。請求方法はつぎのとおりです。ただ、書き込んだデータがサーバーから消えるまで(約3ヶ月以内)におこなう必要があります。
投稿サイト運営者に書き込んだ人物の「IPアドレス」開示を請求
↓
該当IPアドレスを提供するプロバイダに「投稿した人物の個人情報」開示を請求
請求に応じない場合は、そのつど裁判所の仮処分をおこないます。発信者情報開示請求の方法について、詳しくは以下の記事で解説しています。
慰謝料の請求
書き込んだ人物が特定できた場合、投稿した内容が「名誉毀損」「侮辱」「プライバシー侵害」などにあたれば、慰謝料を請求できます。投稿内容が悪質な場合、警察に被害届を提出する方法もあります。
迷ったときは弁護士に相談
削除依頼は自力でおこなうこともできますが、個人の依頼で削除が実行される可能性は低いといわれます。裁判所の仮処分もできますが、それなりに知識が必要です。
被害の拡散を防ぎたい、また犯人を特定したい場合は、とにかく早めの行動が重要です。どう対処すればよいか迷った場合は、まず弁護士の無料相談で話を聞いてみてはいかがでしょうか。