メールマーケティングとは?基礎知識から実施ステップ・ポイントを解説

メールマーケティング マーケティング

インターネットでおこなわれるマーケティング手法にはさまざまな種類があり、メールマーケティングもそのひとつです。

TwitterやLINEなどSNSが普及しているなかで、「いま、敢えてメールを使う必要があるのだろうか?」「効果があるのだろうか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、メールマーケティングは現在でも十分に通用する、費用対効果の高いマーケティング手法です。

では、メールマーケティングとは具体的にどのようなもので、どのような手順でおこなうのか、この記事ではその概要や種類などの基礎知識、方法などをまとめて解説いたします。

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メールマーケティングとは

メールマーケティングとは、メールを活用して顧客の購買意欲を刺激し、コンバージョンにつなげるマーケティング活動のことです。

具体的には、潜在顧客に「こんなことで困っていませんか?解決にはこれ」というように課題を認識させたり、購入歴のある既存顧客に再度商品を思い出してもらったり、それぞれの顧客層に適切なアプローチをおこなうものです。

メールマーケティングに取り組む必要性

近年はSNSでのマーケティングが盛んにおこなわれていますが、メールは現在でもコミュニケーションツールとして広く使われています。

現に、2020年代に入ってもメールの利用者数は増加を続けており、世界で30億人以上にものぼるといわれます。

一般社団法人日本ビジネスメール協会の調査「ビジネスメール実態調査2020」によれば、ビジネスにおけるコミュニケーション手段になにを使っているか、という質問に対し「メール」との回答が99%と圧倒的な結果になっています。

また、海外の調査によれば、メールがもっともROI(費用対効果)であるという結果が出ているなど、多くの人の目に触れやすく、効果的なマーケティング手法なのです。

メールマーケティングの種類

メールマーケティングのアプローチ方法には、おもにつぎのような種類があります。それぞれの特徴をご紹介いたしましょう。

メールマガジン

メールマガジンとは、企業やサービスからの最新情報や役立つ知識、キャンペーンの告知などの内容を、購読者に対し定期的に一斉送信するものです。

単純接触効果を高め、自社や商品のことを定期的に思い出してもらったり、信頼を育成したりするのに効果的です。

ステップメール

ステップメールとは、「商品購入者」「資料請求者」など、特定の条件に該当するユーザーに対し、複数のメールを段階的に配信するものです。

段階的に、とは具体的につぎのような配信をおこなうことです。

  • 1通目:見込み顧客が自社サイトからホワイトペーパーをダウンロード、それに対する自動返信のお礼メール
  • 2通目:上記から3~5日後、自社製品の詳細や導入事例を紹介するメール
  • 3通目:上記からさらに3~5日後、他社製品との比較データなどを紹介するメール
  • 4通目:上記からさらに3~5日後、導入支援セミナーの案内メール

また、このセミナーにも参加した場合はかなり興味をもっている状態といえるため、さらに無料トライアルの案内などを配信すると、さらに購買意欲が高まることでしょう。

ターゲティングメール(セグメントメール)

ターゲティングメールとは、顧客の属性からターゲットを限定し、リスト別に配信をおこなう方法です。

たとえば、特定の店舗を利用したユーザーに対する店舗限定キャンペーンの告知メール、誕生日のユーザーに対する誕生日クーポンメールなどもこれにあたります。

そのユーザーにあった内容のメールを配信することで、コンバージョンにつながりやすくなります。

メール配信システムやMAツールを利用すれば、配信対象者をカンタンにリスト化でき、自動配信できるためターゲティングメールの配信に便利です。

リターゲティングメール

リターゲティングメールとは、特定の条件に当てはまるユーザーに対してメール配信をおこなう手法です。特定の条件とは、たとえばつぎのようなものが挙げられます。

  • 商品ページを閲覧したユーザー:クーポンメールを送信して購入を促す
  • カートに入れ購入しなかったユーザー:「お忘れでないですか?」などリマインド
  • セミナーに参加した購入意欲の高いユーザー:無料トライアルの紹介メール

このように特定の条件にあわせて、そのユーザーが興味をもちそうな内容を配信することで、購入を後押しします。

休眠発掘メール

休眠発掘メールとは、一度商談が成立しそうになったものの、なんらかの理由で保留となってしまった見込み顧客に、状況を伺うためのメールです。

商談が成立しそうになったということは、少なからず購入の意欲があり、興味をもった顧客であるため、有益な情報を提供すれば、再度購入の意欲が高まる可能性は大いにあります。

有益な情報としては、たとえば自社独自データによるホワイトペーパーの提供、セミナーの案内などです。一度保留となっているため高頻度ではなく、半年おきくらいの頻度がよいでしょう。

メールマーケティングのメリット・デメリット

メールマーケティングを実施することで得られるメリットとはなにか、デメリットとなる部分とあわせてご紹介いたします。

メールマーケティングのメリット

まず、メールマーケティングにはどのようなメリットがあるのかをご紹介いたします。

低コストで始められる

手動でメールマガジンを配信するだけであれば、無料で始めることが可能です。また、なかには送信数が制限されているものの、無料のメール配信システムもあります。

仮に有料のシステムを利用したとしても、大々的にテレビCMを打ったり、利用者の多いサイトに広告を出稿するのと比較すれば、かなり低コストといえるでしょう。

ユーザー属性に合わせた配信が可能

メール配信システムでは、メール購読者を属性別などでリスト分けでき、それぞれに異なる内容のメールを配信することが可能です。

それぞれのユーザーが求めているような情報、欲しくなりそうな商品の宣伝などを振り分けて送信すれば、コンバージョン率を大いに高められます。

また、人は興味のない内容のメールが何度も来るとそのメールを見なくなったり、悪い印象をもったりしてしまう場合もあるため、これを防ぐのにも効果的です。

コストパフォーマンスが高い

前述のように、メールマーケティングはほかの宣伝手段と比較しても、比較的低コストで始められるのが特長です。

それでいて、たとえば配信する相手を特定の条件のユーザーに限定し、その条件に合う内容で配信することもできるため、ただ多くの人に同一の内容を宣伝するよりも、高いコンバージョン率に期待できます。

効果測定しやすい

メール配信システムを介して送信すると、メールの開封率やクリック率などの数値を確認できます。このような効果測定ができるということは、改善に活かせるということです。

より多くの人に見てもらい、クリックしてもらい、コンバージョンを獲得するには質の高いメールを作成する必要があるため、効果測定ができることは非常に大きなメリットといえます。

既存のコンテンツを活用できる

自社で蓄積されているノウハウや成功事例など、既存のコンテンツをそのまま活用して提供できるため、内容を検討する手間を削減し、すぐ配信がおこなえます。

メールマーケティングのデメリット

つづいて、メールマーケティングにはどのようなデメリットがあるのかもご紹介いたします。

定期的なコンテンツの更新が必要

メールマーケティングは、顧客が興味をもちそうなコンテンツを継続的に配信し続けていくことで効果を発揮します。

似たようなコンテンツや使い回しばかりでは飽きられたり、購読を解除されたりする可能性も考えられます。

ターゲットが多いほどコンテンツの検討が厳しくなりがちなため、ある程度ターゲット数を限定したり、社内で定期的にアイデア出しを実施したりするとよいでしょう。

ユーザー動向を分析しながらの運用が大変

メールマーケティングは、つねにユーザーの動向やトレンド、興味関心の変化に合わせてメールの本文やコンテンツの内容を合わせることも重要です。

しかし、多くのユーザーに対してその動向を分析しながら運用していくのは、かなり手間がかかることでもあります。

メールマーケティングの実施ステップ

では、メールマーケティングを実施する場合、どのような手順を踏んでおこなえばよいのか、基本的なステップについて解説いたします。

ステップ1. 目標設定

まず、メールマーケティングを実施する目的や解決したい課題を挙げ、目標を設定します。これには、最終的な目標「KGI」と、その達成指標「KPI」を設定するとよいでしょう。

具体的には、KGIを「メールから商品Aの購入を月◯件」とし、KPIはその達成のためにメールの開封率、クリック率△%を目指す、というように設定するとよいでしょう。

ステップ2. 配信リストの準備

つづいて、メールの送信先となる配信リストを用意します。

配信先を獲得するには、たとえば名刺交換、自社サイトでのホワイトペーパー配布、メールマガジンの登録促進などの方法が挙げられます。

ステップ3. コンテンツ作成

メールで配信するコンテンツの作成をおこないます。自社のノウハウや導入事例など、既存コンテンツを活用してもよいでしょう。

どのような属性のユーザーに配信するのか、ユーザー像(ペルソナ)を設定しておくと、さらに内容がブレにくくなります。

ステップ4. メール配信

コンテンツが用意できたら、実際の配信に移ります。

メールは手動でも送信できますが、配信数が多くなると作業の負担も大きく、誤送信のリスクもあるため、メール配信システムや、メール配信機能のあるMAツールの利用がおすすめです。

ステップ5. 効果測定

配信後は、メール配信システムやMAツールの分析機能を利用し、効果測定をおこないます。

メール到達率や開封率など、事前に設定した目標、KPIはどの程度達成できているのかを確認し、またユーザーの受信拒否で配信数が減少していないかなど、数値から分析します。

ステップ6. 改善

効果測定の結果、さらに数字を増やすにはなにををすべきかを検討します。

たとえば、開封率の改善には配信日時を見直したり、より興味をもってもらいやすい件名に変更したりします。

また、クリック率やコンバージョン率の改善には、顧客が求めている情報ではなかったと仮定し、メール本文や内容を見直す、といったように改善をおこないます。

改善後はまた一定期間後に効果測定し、その結果をもとにさらに改善を加える、というように、効果測定と改善をくり返し、よりよいメール配信がおこなえるよう継続していくことが重要です。

メールマーケティングで実現できること

メールマーケティングを成功させることで、なにを実現できるのかについてもご紹介いたします。

見込み顧客の育成

見込み顧客によって、商品やサービスに対する興味や購入意欲など、温度感もさまざまです。

メールマーケティングであれば、メールの開封率やクリック率などの数字から、顧客ごとの温度感を把握できるため、それに合わせて適切な頻度、内容で購入意欲を育成できます。

なお、以下の記事で見込み顧客の育成(リードナーチャリング)についてより詳しく解説しています。

見込み顧客への適切なアプローチ

前述のように、メールマーケティングではステップメールやターゲティングメールなど、さまざまな手法で見込み顧客の興味関心、温度感に合わせたアプローチが可能です。

とくに、MAツールもあわせて活用すれば、顧客の行動をリアルタイムに確認でき、興味をもつタイミングを逃しません。

顧客との関係性の維持・向上

購入の検討期間が長期化すると、その間に購入意欲が減退し、また商品やサービスのことを忘れてしまいがちです。

それを防ぐために、メールで継続的かつ定期的に役立つ情報や、セミナーの案内などを配信し、自社を思い出してもらうことが重要であり、これが関係性の維持・向上につながります。

以前、資料をダウンロードしたが音沙汰がなくなった、何らかの理由で購入を断られた、という顧客の脱落理由に合わせた内容のメールを送るとさらに効果的です。

メールマーケティングの主なKPI

メールマーケティングの効果を最大限に発揮するには、適宜効果を測定し、それをもとに改善を続けていくことが重要です。

メールマーケティングをおこなううえで、確認すべき数字はなにか、おもなKPIについて解説いたします。なお、KPIの測定には後述するメール配信システムやMAツールを利用することで、すぐに数字が分かります。

KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicators」の略語で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。達成すべき目標に対する、達成度を評価するための指標のことです。

メールマーケティングを実施してみて、どのような結果だったのか、またメールの内容を改善した後の効果測定をおこなう際、このKPIが役立ちます。

送信数

メールはより多く送ればいいわけではありません。過剰に送信しすぎないよう、適宜見直す必要があります。

メール購読者数やメーリングリストを健全に保つため、最適な配信の頻度、送付数を探り当てることも重要です。

到達率

到達率とは、配信したメールが送信相手に届いた割合です。メールが届かない理由としては、アドレス違い、相手のメールボックスの容量不足などさまざまな理由があります。

到達率の低いリストを使い続けると、送信相手のメールサーバーから、不適切なメールアドレスに送信している送信元とみなされ、迷惑メールフィルタに弾かれる可能性もあります。

定期的に到達率を確認し、送信できなかった相手はリストから外すなどして、数値を高めていくことが望ましいです。

到達率の計算式

1 - (エラーが戻ってきた数 / 配信したメールアドレス数) } × 100

開封率

開封率とは、送信数全体に対して何人がメールを開封したかの割合です。メールが読まれたかどうかを示す数字でもあります。

ただし、この数字はHTMLメールでしか計測できません。計測方法としては、HTMLメールの本文内に計測用の画像データを挿入し、これが閲覧されると開封率としてカウントします。

開封率は、配信の相手やメールの件名に興味を引かれるか、にも左右されます。開封率が低い場合、件名に問題はないか、見直すとよいでしょう。

開封率の計算式

(HTMLメールの開封数 / 配信に成功したメールアドレス数) × 100

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率とは、メール内のリンクからの資料請求や商品の購入など、目標として設定した項目の達成を示す割合です。

コンバージョン率が高いほど、受信者にとって有益で、興味を惹かれる内容であったことを示します。

コンバージョン率の計算式

(目的達成数 / 配信に成功したメールアドレス数)× 100

クリック率(CTR)

クリック率とは、メール内のリンクがクリックされた割合のことです。これも、コンバージョンと同様に相手の興味を引くことができたかを示す数字でもあります。

クリック率を高めるには、URLの前後の紹介文を変更してみたり、配信時間を再検討したりするのもよいでしょう。

クリック率の計算式

クリック数÷開封されたメール数×100(%)

解約率

解約率とは、メールマガジンやニュースレターの購読者が解約した割合のことです。

この数字が高いほど、メールの内容や配信の頻度に不満をもたれている可能性があるため、これらを見直す必要があるでしょう。

解約率の計算式

一定期間の解約数÷同期間の購読登録者数×100(%)

メールマーケティングと相性の良いツール

メールマーケティングを実施する際、ツールを利用すると効率的なメール配信、効果測定ができるようになります。相性の良いツールにはどのようなものがあるか、ご紹介します。

メール配信システム

メール配信システムとは、カンタンな手順で複数の送信先へ、指定した日時にメールを一斉送信できるツールです。

メールマガジンを手動で送信する場合、1件ずつメールアドレスを選択する手間がかかり、また大量送信することで迷惑メールに判定され、メールが届かなくなるケースも多いです。

その点、メール配信システムなら迷惑メールに判定されないような独自のノウハウがあり、また誤送信も防げるため、メール到達率を高め、情報漏えいリスクも排除できます。

複数の送信先に大量送信したい、またステップメールや自動返信メール、効果測定などおこないたい場合、必須のツールといえるでしょう。

以下の記事で、メール配信システムの詳細やおすすめ10選を紹介しています。

MAツール

MAツールとは、マーケティング施策を自動化し、営業に関わる作業を効率化、リード獲得や顧客の育成に役立つツールです。

これを導入することで、メールマガジン購読者の名前や年齢、性別といった属性情報、過去の購入履歴、クリック率などを取得できます。

これらの情報をもとに、相手がより興味をもちそうな商品をメールで紹介したり、一定期間が経過したら過去の購入商品を再度勧めたり、より効果的なマーケティングをおこなうことができます。

メール配信システムでありながら、MAツールと同様の機能をもつサービスもあるため、トライアルなどを利用して、自社に最適なものを利用してみてはいかがでしょうか。

以下の記事で、MAツールの詳細やおすすめ12選を紹介しています。

まとめ

メールマーケティングとは、メールを活用して顧客の購買意欲を刺激し、コンバージョンにつなげるマーケティング活動であることをご紹介しました。

特定の属性のユーザーやリストを絞って、それぞれに最適なコンテンツを直接配信できる点は、大きな強みではないでしょうか。

メールマーケティングをされるか検討されている場合は、ご紹介した実施ステップのとおりに進め、配信数が多く、手間がかかりそうであればメール配信システムのトライアルなどを試してみてもよいかもしれません。