ロングテールキーワードとは?選び方やメリット・デメリットを解説

ロングテールキーワード マーケティング

まだサイトに記事が少なく、ドメインパワーが弱いときは、ロングテールキーワードを狙いサイトへの流入を増やすことがおすすめです。

ロングテールキーワードでのコンテンツ量産は、サイト自体の評価を高められるうえに、高いコンバージョン率にも期待できます。

今回は、ロングテールキーワードはどのような基準で選べばよいのか、その選び方や、施策をおこなうメリット・デメリットなどについて解説します。

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ロングテールキーワードとは

そもそもロングテールキーワードとは、3つ以上の複数の単語からなる、長い検索キーワードのことです。

ロングテールキーワード

おもに1語であるビッグキーワードと比較すると、検索ボリューム(検索される回数)は少なめですが、コンバージョン率が高いのが特徴です。

検索ボリュームの少ないキーワードのほうがコンバージョンにつながりやすいことを示す、このグラフの形が長い恐竜のしっぽに見えることが、ロングテールと呼ばれる理由です。

ロングテールキーワードのメリット

では、ロングテールキーワードを狙ったSEO対策を実施すると、どのようなメリットが期待できるのかについてご紹介いたします。

コンバージョン率が高い

ロングテールキーワードを狙って作成したコンテンツは、ビッグキーワードよりもコンバージョン率が高い傾向にあります。

というのも、ビッグキーワードは「美容院」など漠然とした1語であるのに対し、ロングテールキーワードは、「新宿 美容院 カラー 安い」のように、新宿のカラーが安い美容院に行きたいと思っている人が検索します。

このように、実際そのサービスを利用したい、購入したい人のほうが、より多くの単語を含めて検索するため、コンバージョン率が高くなるのです。

そのため、ビッグキーワードでなかなか上位表示が達成できないよりは、ロングテールキーワードで上位表示できたほうが、成果になりやすいといえるでしょう。

上位表示されやすい

検索件数の多い、いわゆる「ビッグキーワード」は競合が多く、とくにサイトを開設したばかりでコンテンツが少ない場合、上位表示させるのは非常に困難です。

その点、ロングテールキーワードはビッグキーワードより検索件数がやや少ないものの、検索ボリュームが少ないことで競合も少なく、上位表示を達成しやすくなっています。

企業サイトや有名ブロガーなどは、すでにサイトが上位表示させやすいため、ビッグキーワードを狙う傾向にあります。

そのため、こういった強い競合が狙わないようなキーワードを狙えば、上位表示を達成でき、さらにコンバージョンも狙える可能性があるのです。

ビッグキーワードの上位表示につながる

ロングテールキーワードで複数のコンテンツが上位表示を達成できれば、「役立つコンテンツが多い情報の充実したサイト」として、検索エンジンからの評価が徐々に上がります。

サイトの評価が上がっていけば、結果的にビッグキーワードでも上位表示ができるようになってきて、より多くのユーザーの目に触れ、サイトを訪れてもらいやすくなります。

また、ビッグキーワードで上位表示させたいカテゴリーページがある場合、そのカテゴリーの下層に、ロングテールキーワードでSEO対策をしたコンテンツを複数作成します。

すると、内部リンクでつながっているカテゴリーページの評価が上がっていくため、ビッグキーワードで上位表示しやすくなるという効果もあります。

検索意図が明確なためコンテンツを作成しやすい

SEO対策で上位表示を目指すうえで、ユーザーはそのキーワードを検索してなにを知りたいのか、検索意図にあったコンテンツの作成が非常に重要です。

その点、ロングテールキーワードはより明確に「ユーザーがなにを知りたいか」を読み取りやすい単語が含まれているため、検索意図を明確につかみやすいです。

検索意図が明確化されていれば、ユーザーが知りたいことを解決するコンテンツを作成しやすく、これによりユーザーのアクセスが増え、検索エンジンからのサイトの評価向上やコンバージョンにも期待できます。

音声検索と相性が良い

最近は、AIスピーカーやスマホの音声アシスタントの普及もあり、日常的に音声検索を使う人も増えてきています。

音声検索は、たとえば「新宿のおしゃれなカフェは?」というように話し言葉になるので検索キーワードが長文化しやすく、ロングテールキーワードと相性がよいです。

音声検索はますます普及してきているため、ロングテールキーワードでのSEO対策も重要視されています。

なお、検索エンジンの最適化をSEO対策と呼ぶのに対し、音声検索に最適化することをVSO(Voice Search Optimization)といいます。

ロングテールキーワードのデメリット

ロングテールキーワードでのSEO対策には、デメリットといえる部分もあります。それについてもご紹介いたしましょう。

検索流入数が少ない

ビッグキーワードと比較すると、ロングテールキーワードはそもそも検索される回数が少ないため、結果的に流入数も少ないです。上位表示されなければ流入はさらに少なくなります。

seoClarityの2021年におけるCTR調査研究によれば、検索順位別クリック率について、1位が13.94%、2位7.52%、3位4.68%となりました。

つまり、上位表示されてもユーザーはかならずクリックするとは限らず、検索流入が少ないなかで、さらにクリックするかどうかの部分でも、ふるいにかけられることとなります。

1ページあたりの流入が少ないことで、コンテンツを公開した際のインパクトが弱いと感じられるかもしれませんが、ページ単体ではなくサイト全体での流入が増えたかどうかを見るとよいでしょう。

成果が出るまでに時間がかかる

上記のように、ロングテールキーワードは検索流入数が少ないため、短期的には成果につながりにくい点がデメリットといえます。

成果を出すには、コンテンツの作成・管理体制を整え、上位表示を目指してコンテンツを大量生産していき、サイト全体の流入数を増やすことが重要です。

類似コンテンツを作成しかねない

ロングテールキーワードでコンテンツを作成していると、内容の似通ったものが複数できてしまう場合も考えられます。

たとえば「カメラ 基本用語」「カメラ 撮影 用語」では、どちらもカメラに関する用語を紹介するコンテンツになるため、類似ページとなりやすいでしょう。

検索エンジンは、このような「類似コンテンツ」の乱立はユーザーの利便性を落とすという理由で、評価を下げてしまいます。

そうならないためにも、キーワード選定の際は内容が似てしまいそうなものは片方を除外するなどの対策が必要です。

ロングテールキーワードの選定手順

では、ロングテールキーワードでSEO対策をしていくには、どのようにキーワードを選定すればよいのか、その手順をご紹介いたします。

ロングテールキーワードの選定手順
  1. メインキーワード(ビッグキーワード)を決める
  2. メインキーワードのサジェストを取得する
  3. 検索ボリュームを調べる
  4. 検索意図に応じてキーワードをグルーピングする
  5. 優先度の高いものからコンテンツを作成する

メインキーワード(ビッグキーワード)を決める

ロングテールキーワードには、かならず軸となるメインのビッグキーワードがあります。たとえば、「美容院 新宿 安い」であればメインキーワードは「美容院」です。

施策をおこなうWebサイトのテーマや掲載内容が決定しているのであれば、その内容に合ったメインキーワードを設定します。

メインキーワードは1つでなくても構いませんが、基本的に近いカテゴリーの単語を選ぶのがよいでしょう。

メインキーワードのサジェストを取得する

メインキーワードを決めたら、そのキーワードとあわせて検索されることが多い、サジェストを取得します。

サジェストの取得には、Google検索など「ロングテールキーワードを調べるときに役立つツール」で紹介しているようなツールを利用するとよいでしょう。

検索ボリュームを調べる

取得したメインキーワードのサジェストが、それぞれどのくらいの回数検索されているのか、検索ボリュームを調べます。

調査には、キーワードプランナーなどのツールを利用するとよいでしょう。

キーワードプランナーでは、検索ボリュームだけでなく、検索意図の近い関連キーワードも表示されるため、キーワード選定にも利用できます。

検索意図に応じてキーワードをグルーピングする

上位表示を狙えそうなロングテールキーワードを何件かピックアップしたら、検索意図に応じてグルーピングをおこないます。

また、施策をおこなうWebサイトとの関連度や検索ボリュームをもとに、コンテンツ作成の優先度づけもしておきましょう。

前述のように、類似コンテンツを作成するとサイトの評価が下がるおそれがあるため、グルーピングによりキーワードを整理して管理し、似通った内容にならないよう注意してください。

優先度の高いものからコンテンツを作成する

グルーピングの際に設定した優先度の高いものから、コンテンツの作成を進めていきます。基本的には、1つのキーワードで1つの記事を作成します。

上位表示を狙うには、ユーザーの検索意図と合致しており、ユーザーの知りたいことを解決できる内容のコンテンツ作成が重要です。

コンテンツの公開後も、定期的にツールで効果測定をおこない、順位や流入数などをもとに、ブラッシュアップして質を高めていくことも欠かせません。

ロングテールキーワードを調べるときに役立つツール

では、どのようなロングテールキーワードで施策をおこなえばよいのか、キーワードの選定をする際に役立つツールについてご紹介いたします。

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナー

URL:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/

Googleが提供している無料ツールです。Google広告に登録すると利用できます。

特定の検索キーワードやその関連キーワードの検索ボリュームや競合性を調べられるほか、都道府県や都市ごとの検索ボリュームを調べる機能もあります。

無料版だと月間検索ボリュームは100~1,000、1万~10万などおおよその数字ですが、有料版ではより正確な数字を確認できます。

ラッコキーワード

ラッコキーワード

URL:https://related-keywords.com/

ラッコキーワードは、サジェストキーワード(Google/Bing/Youtube等)・関連Q&A・共起語・見出しを一括で取得できるため、コンテンツの作成で大いに役立ちます。

無料プランだと1日のキーワード調査数が50回までなど制限があるため、検索回数が多い場合は有料プランを利用するのもよいでしょう。

Google検索

Google検索

URL:https://www.google.com/

Google検索にキーワードを入力するだけで、その下におよそ8個ほど、検索結果ページの最下部にもさらに8個ほどサジェストが表示されます。

検索ボリュームまでは調べられませんが、ある程度の検索ボリュームがあるキーワードが表示されるため、ロングテールキーワードの洗い出しに便利です。

ロングテールキーワード選びのポイント

ロングテールキーワードといっても、まったく検索されていないもの、上位表示が難しいものを選ぶと施策の効果がなかなかあらわれにくいです。

では、どのようなキーワードを選べばよいのか、選び方のポイントをご紹介いたします。

ロングテールキーワード選びのポイント
  • Webサイトのテーマに合ったものを選ぶ
  • 月間検索ボリューム 100~1,000のキーワードを選ぶ
  • 競合が強すぎないキーワードを選ぶ

Webサイトのテーマに合ったものを選ぶ

Webサイトの目的、テーマが決まっていれば、それに合ったキーワードを選定します。

たとえばインテリアの情報を発信していくサイトであれば「テーブル」「照明」といったキーワードなど、それに合うキーワードを選ぶとよいでしょう。

テーマが決まっていればキーワードを選びやすく、施策の方向性も見えてくるため、テーマは早い段階で決めておくのがおすすめです。

月間検索ボリューム 100~1,000のキーワードを選ぶ

キーワードを選んでも、まったく検索されていないものである場合、たとえ上位表示できても成果につながりません。

そのため、キーワードプランナーなどのツールで月間検索ボリュームを調査し、100~1,000を目安にキーワードを選ぶとよいでしょう。

このくらいの検索ボリュームであれば、上位表示の難易度もそこそこなので、サイトのコンテンツが少ないうちは、このあたりの検索ボリュームのキーワードで施策していくのがおすすめです。

競合が強すぎないキーワードを選ぶ

競合の強すぎるキーワードを選ぶと、上位表示が困難になり成果につながりにくいです。キーワードの候補が決まったら、かならず競合調査を実施してください。

とくに、つぎのような組織のサイトは信頼性が高いため上位表示がされやすく、順位を抜くのは非常にむずかしいでしょう。

  • 公的機関
  • 病院
  • 有名企業

このような信頼性の高いサイトが検索結果のページ目を独占している状態だったら、そのキーワードは避けるのが無難です。

まとめ

コンテンツマーケティングを成功させるためには、いきなりビックキーワードを狙うのではなく、ロングテールキーワードを狙うことがとても大切です。

ロングテールキーワードを上位表示させ、サイトへの流入を少しずつ増やすことでドメインパワーを高めることができます。

成果が出るまで時間はかかりますが、検索意図と合致する高品質なコンテンツを増やしていけば、高いコンバージョン率が期待できます。

まずは継続して施策を実施していきましょう。