SNSマーケティングとは?手法やメリット・デメリットについて解説

マーケティング

Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSを利用する人が増え、拡散されれば非常に多くのユーザーに注目されるツールです。

企業もSNSアカウントを開設し、自社の認知度を高めたり、商品やサービスを広めたりするなど、SNSマーケティングは企業にとって欠かせないものとなっています。

そこで本記事では、SNSマーケティングとは具体的にどのような活動をおこない、それにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、それぞれ解説いたします。

これからSNSマーケティングに注力していこうと考えている企業様や個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。

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SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、Twitter、Facebook、InstagramをはじめとするSNSサービスを活用したマーケティング活動のことです。

おもに店舗・企業やサービス名を名乗るアカウントで投稿して知名度を高めたり、既存顧客に対する最新情報の配信、交流によりロイヤルティを向上する、といった目的で利用されています。

また、SNSには非常に多くのユーザーがいるため、商品やサービスに対するナマの声を聞くこともでき、サービス改善にも役立ちます。

どのSNSもマーケティング目的でのアカウント作成が可能で、有料オプションで特定の属性のユーザーに広告出稿もできるなど、いまやマーケティングに欠かせないツールとなってきています。

SNSマーケティングが注目されている理由

最近は大手に限らず、中小企業やさまざまな店舗のSNS進出が増加しています。その理由として、日本におけるSNSのユーザー数が年々増加していることが挙げられます。

ICTの市場調査をおこなっているICT総研の実施した「2018年度 SNS利用動向に関する調査」によれば、日本におけるSNS利用者(アクティブユーザー)数の推移はつぎのような結果になりました。

2017年末の国内ネットユーザーは推定1億12万人、うちSNS利用者は72.1%にあたる7,216万人でした。2020年末には78.7%にあたる7,937万人に拡大すると予想されています。

このように、日本ではいまやネットユーザーの7~8割以上がなんらかのSNSを利用しているため、マーケティングをおこなうのに最適の場所となってきているのです。

SNSマーケティングに使われるソーシャルメディア

SNSマーケティングをおこなうには、やはりユーザーが多く、投稿を見てもらいやすい場所である必要があります。よく使われるソーシャルメディアと、その特徴を紹介します。

Twitter

国内月間ユーザー数は4,500万人以上、国内におけるユーザー数はFacebookを上回るSNSです。メインユーザーは10~20代の若年層で、平均年齢は36歳といわれます。

最大の特徴は、投稿(ツイート)1件につき文字数が140文字以内であること。気軽に投稿でき、ほかのユーザーに投稿を共有できる「リツイート」機能もあるため、高い拡散性があります。

しかし、140文字の制限によりツイートの意図が正しく伝わらなかったり、それが拡散されることによって、炎上してしまったりというリスクも孕んでいます。

Twitterの特徴
  • 1件あたり140文字以内で投稿できる
  • 情報収集が目的で投稿せずタイムラインだけ見るユーザーも多い
  • ユーザーの大半はハンドルネームを使用しており匿名性が高い
  • リツイートやいいねなど気に入った投稿を共有する機能があり、拡散性が高い
  • おもしろい、役に立つような内容の投稿が好まれやすい

Instagram

国内月間ユーザー数は3,300万人以上、画像や動画を投稿するためのSNSです。メインのユーザー層は20~40代の女性が多いです。

「インスタ映え」という言葉が流行ったように、美しい景色や色鮮やかでかわいらしいスイーツ、雑貨などの写真が好まれ、自己表現や感動の共有などを目的に投稿されます。

いいね!やハッシュタグ機能はありますが、リツイートのような機能はなく、Twitterのように爆発的に拡散されることはあまりありません。

最近は配信後24時間で消える「ストーリーズ」という機能が人気で、美しい商品写真や映像にECサイトのリンクを掲載するなどの活用がされています。

Instagramの特徴
  • 画像や動画の投稿がメイン
  • おしゃれ、きれい、など見た目のよい投稿が好まれる
  • 24時間で消えるストーリーズ機能がある
  • インスタライブというライブ配信機能がある
  • 写真投稿と相性のよい飲食店や美容室などのアカウントも多い

Facebook

世界最大のユーザー数を誇る、実名登録が原則のSNSです。国内月間ユーザー数は2,600万人、メインのユーザー層は40~50代と比較的年齢が高めになっています。

大きな特徴は実名登録、実際の個人情報を登録するのが原則であることです。世界各国の多くの企業がアカウントを有すため、ビジネスツールとして利用するユーザーも多くいます。

実名で活動するため、むやみに誹謗中傷などするユーザーも少なく、炎上が起きにくいともいわれます。最近は若年層のサービス離れが進んでいる状況です。

Facebookの特徴
  • 世界最大のSNS
  • 実名登録制のため、ほかのSNSより炎上しにくい
  • ユーザーの属性がほぼ的確で、ピンポイントでの広告出稿がしやすい
  • 人に教えたくなる情報、仕事に役立つ内容の投稿が好まれやすい
  • 取引先との交流や情報交換などビジネスで利用するユーザーも多い

LINE

国内月間ユーザー数は8,800万人。国内シェア首位を誇るメッセンジャーSNSです。ユーザー層も幅広く、総務省の調査によれば全年代で約8割が利用しているとのこと。

「LINE公式アカウント」「LINE@」など企業がアカウントを取得し、友だち登録したユーザーに対して最新情報やクーポンの配信もできます。

コミュニケーションツール以外にも、決済サービス「LINE Pay」、求人サービス「LINEバイト」など、多種多様なサービスが展開されているため、企業としての活用の幅もさらに広がっていくと思われます。

LINEの特徴
  • 国内ユーザー数が最大のSNS
  • ユーザー層は老若男女問わず全年代で約8割が利用
  • トークでの会話や投稿、ゲームなどさまざまなサービスがある
  • 企業アカウントは友だち登録したユーザーに対し、メールマガジンの配信と同様に最新情報やクーポン配信などをおこなえる
  • 友だちにアンケートや投票を実施して次回のプロモーションに活用できる「リサーチ」機能もあり

SNSマーケティングの手法

一口にSNSマーケティングといっても、アカウント運用以外にさまざまな手法があります。5つの手法とその概要、特徴をご紹介いたします。

SNSアカウント運用

企業としてSNSアカウントを開設し、日々の投稿やユーザーとの交流などをおこなう基本的なマーケティング手法です。

ユーザーが興味をもちそうな話や役立つ情報、目を引く美しい写真などを投稿し、より多くの人に見てもらうことで、認知度や好感度を高める効果があります。

また、前述のように自社に関する投稿のなかから顧客のナマの声を発掘し、新商品の開発やサービスの改善につなげることもできます。

SNS広告

SNSでは特定の年齢層、性別、居住地など指定した属性のユーザーに絞ってピンポイントで広告を配信することができます。

テレビCMや一般的なサイトの広告と比較しても、特定の属性のユーザーに配信できる点は優れており、とくにFacebookは実名や実際の個人情報で登録している人も多く、ターゲティング精度が高いです。

SNSキャンペーン

SNSキャンペーンとは、SNS上でユーザー参加型のキャンペーンを実施し、参加してもらうことで自社に対する集客や認知度の向上を促す手法です。

具体的には、つぎのような企画が挙げられます。

  • 特定の投稿をリツイートしたユーザーに抽選でプレゼント
  • イベントハッシュタグをつけた投稿者に抽選でプレゼント
  • 商品の写真を添付して感想を投稿したユーザーに抽選でプレゼント

キャンペーンにより投稿に多くのリツイートがついたり、ハッシュタグのついた投稿が急増したりすればトレンドに上がり、より多くのユーザーに注目される効果も期待できます。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNSで多くのフォロワーやファンを抱え、高い影響力をもった「インフルエンサー」をマーケティングに活用する手法です。

具体的には、フォロワー数の多いインスタグラマーやチャンネル登録者の多いYouTuberなどと企業がコラボし、イベントを開催したり商品を紹介してもらったり、などが挙げられます。

インフルエンサーによっては有名芸能人にも劣らない影響力を誇り、過去にはコラボした企業のサイトがサーバーダウンした事例もあるほどです。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、SNS上のユーザーのナマの声を発掘・収集し、それをマーケティングに活用する手法です。

SNS上には、企業に対する意見や商品・サービスを利用した感想を投稿する人も多く、これをサービスの品質向上や新商品の開発に活用すれば、よりよいサービスや商品を世に出すことができます。

SNSマーケティングのメリット

SNSマーケティングをおこなうとどのような効果に期待できるのか、おもなメリットを紹介していきます。

店舗・企業の認知を高められる

人気のSNSは非常にユーザー数が多いこともあり、アカウントを開始してすぐは気づいてもらいにくく、なかなかフォロワーやコメント、いいねなどもつきにくいです。

それでも地道に投稿を継続し、積極的に返信や反応(リツイートやいいねなど)していくことで、少しずつですが認知が高まり、徐々にフォロワーや反応も増えていきます。

また、このような活動をしていれば、「返信をくれるかもしれないから、この商品について感想を投稿しよう」と、自主的に認知を広めてくれるユーザーも出てきやすいです。

イメージの向上につながる

代表的な企業のSNSアカウントといえば、TwitterではタニタやSHARPが有名です。大手企業=マジメで堅いイメージを抱きがちですが、これらの担当者は気さくにユーザーと交流し、ユニークな投稿をしています。

これが「とっつきにくいイメージだったけど、こんなに親しみやすい会社なんだ」「面白い企業だから、ここからなにか買おう」といった好印象につながるのです。

また、ユーザーが知らなかった企業でも、アカウントの担当者がユーザーの興味を引く投稿をしていたり、得する情報を配信していたりすれば、よいイメージを抱きやすいです。

顧客との距離が縮まる

前述のタニタやSHARPなどのアカウントは、声をかけてきた一般ユーザーや、商品に関する質問にも頻繁に返信しており、ユーザーと積極的に会話をおこなっています。

このように一般ユーザーと良好な関係を築くことで、商品の購入を検討する際、「返信してくれたあの会社の製品を買おう」と想起してもらいやすくなります。

通常、企業の担当者と顧客が直接会話する機会はあまりありませんが、それを可能にしてくれるのが、誰とでも交流できるSNSならではといえるでしょう。

顧客のナマの声が聞ける

SNSは気軽に日常を投稿する場所であり、最近買ったものの使い勝手や新商品を食べた感想などを自主的に投稿しているユーザーも多いです。

企業にとって商品の購入者の情報や感想は欲しい情報であり、それでいて直接聞くことが難しいですが、SNSでは「ここがよかった、悪かった」「こういう商品が欲しい」などナマの声を比較的容易に得ることができます。

この声を新商品のアイデアや、サービス改善に活用すれば、さらなる売り上げアップも期待でき、顧客の意見を聞いて反映してくれる企業としてイメージアップにもつながるでしょう。

また、最近は商品の購入や店舗の利用を検討しているとき、SNSの口コミを参考にする人も多いため、ポジティブな感想があった際に紹介すると、それを見て購入を決める人が増える効果も期待できます。

SNSマーケティングのデメリット

SNSマーケティングには魅力的な面も多いですが、運用の際には注意すべき部分もあるので、紹介していきます。

炎上する可能性がある

企業名、店舗名を冠して発信するということは、SNS上の言動がその企業の考え方、姿として見られやすいです。そのため、投稿内容は慎重に検討する必要があります。

たとえばSNS担当者が世間とずれた言動、会社への不満、差別的、政治的な投稿などをすると、SNSで炎上してしまうほか、企業側にまでクレームが寄せられ、大きく信用を損なう可能性もあります。

また、過去には担当者がプライベートのアカウントに投稿したつもりで、誤って企業のアカウントのほうに投稿してしまう事例もありました。

このような炎上を防ぐためにも、SNS運用のポリシーは明確化し、担当者には適切な教育をおこなうことが重要です。

継続的な運用が難しい

SNSでファンを増やしていくには、興味をもたれるような内容や情報を定期的に、且つ継続して発信しつづけ、またユーザーとも交流を図っていくことが重要です。

同じような内容ばかり投稿すれば飽きられて見てもらいにくくなりますし、投稿頻度が低すぎるとユーザーのタイムライン上ですぐ流れ、埋もれてしまいます。

地道に工夫を凝らした運用を、長期的におこなう覚悟が必要といえるでしょう。

SNSマーケティングに取り組む際のステップ

SNSの利点を最大限に発揮してマーケティング活動を実践するには、適切な手順を踏んで進めていくのが望ましいです。それぞれのステップについて解説していきます。

目的を設定する

まずは、SNSマーケティングを実施してどのような成果を得たいのか、最初に目的を定めることが重要です。

目的が設定されていないと、どうなればマーケティングが成功したといえるのか、なにを目指して運用すればよいのか、改善の仕方まですべて不明瞭になってしまいます。

SNSマーケティングを実施する企業の多くは、以下のいずれかを運用目的として設定する場合が多いです。

  • 企業のブランディング
  • リード顧客の獲得
  • 顧客の育成
  • サイトへの流入アップ

ターゲットを明確にする

つぎに、自社の商品やサービスをおもに利用している顧客、もしくは売りたいと考えている顧客はどのような属性の人であるのか、そのターゲットを明確化します。

ターゲット像の明確化は年齢層、性別、居住地などの属性だけでなく、たとえばどのような悩みがある人か、なにに興味があるのか、というところまで細かく設定しておくと、運用するうえでブレにくくなります。

プラットフォームを決める

「SNSマーケティングに使われるソーシャルメディア」で開設したとおり、SNSはそれぞれ投稿される内容の傾向やユーザー層が異なります。

SNS運用の目的や明確化したターゲット像をもとに、それぞれの特徴と照らし合わせ、どのSNSでアプローチするのが最適かを比較、検討してください。

競合分析をおこなう

競合他社がどのSNSにアカウントを所有しているのか、そのフォロワー数や投稿内容、どのようなターゲティングをしているのか、といった競合分析も重要です。

この分析により、取り入れるべき部分や差別化できそうな部分を探し出し、自社での運用に活かすことができます。

KPIを設定する

運用目的を定めたら、目的達成のための数値的な指標を設定します。数値を設定することで、達成率も分かり、分析もしやすくなります。

数値的な指標としては、つぎのようなものが挙げられます。

  • 1年以内にフォロワー1万人を達成する
  • 自社に対するユーザーからの投稿を月間30件増やす
  • SNSからのリードを月間30件獲得する

投稿・分析・改善する

実際に投稿を実施し、毎週、毎月など一定期間ごとに分析をおこない、前回と比較してフォロワーや閲覧の数がどう変動したか、どの投稿に対する反応が大きかったか、などを調べます。

そこから、フォロワーや閲覧数が変動した理由はなにか、投稿した曜日や時間などタイミングと反応率の相関、伸びやすい投稿内容はなにか、など深堀りします。

このような分析結果から、投稿のタイミングを変更したり、内容を変更したり、改善をくり返していくことで、より目的の達成に近づいていくことができます。

SNSマーケティングにおすすめの分析ツール

前述のように、SNSマーケティングに取り組む際は投稿の分析や改善も必要不可欠です。

分析とは、投稿した内容を何人が閲覧、クリックしたか、どの曜日・時間の投稿が見られやすいか、また改善すべきポイントはなにか、などを調べることです。

これらの項目は「分析ツール」を導入すれば簡単に確認できます。ここでは、複数のSNSを分析できるおすすめのツールをご紹介します。

特定のSNSに特化したツールは「SNS分析ツールおすすめ11選!選定ポイントも解説」の記事で紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。

Social Insight(ソーシャルインサイト)

Social Insight

TwitterやInstagramのほか、YouTubeやTikTokなど幅広いSNSにおいてアカウント管理や分析をおこなえるツールです。日本最大規模の2600万以上のアカウントを蓄積しています。

口コミ分析や競合アカウント分析など分析機能が充実しており、さらに自社や競合のSNSアカウントも一括比較が可能です。さらにキャンペーンも当選条件の確認、抽選作業などを自動化できます。

Social Insightの特徴
  • 料金は要問い合わせ、「ビジネス版」「エンタープライズ版」の2プランあり
  • 複数のSNSアカウントへの予約投稿、投稿までの承認フローも管理可能
  • SNSキャンペーンの諸作業を自動化、反響調査もできる
  • 特定キーワードの発言が急増した際にメールでアラート、炎上も察知できる
  • オンラインマニュアルや技術サポートなどサポート体制も充実

comnico Marketing Suite(コムニコ マーケティングスイート)

comnico Marketing Suite

Twitter、Instagram、Facebookの3種類のSNSにおいて分析、投稿管理がおこなえるツールです。表示項目はカスタマイズ可能で、自社のKPIにあわせて設定できます。他社競合アカウントと比較もできます。

スマートフォンプレビューや事前予約などの機能があり、投稿の負担も軽減。自社の運用フローに合わせた投稿設定がおこなえるため、ヒューマンエラーも防止できます。

comnico Marketing Suiteの特徴
  • 14日無料トライアルあり
  • 初期費用100,000円+月額50,000円(3アカウント、オペレーター5名)
  • 各SNSの状況をグラフ化しレポートを自動作成、ダウンロードも可能
  • 競合他社のアカウントを各SNSで10個まで登録、モニタリング可能
  • SNS上でのブランド言及をまとめて可視化、要対応のユーザーもピックアップ

まとめ

このように、SNSマーケティングはアカウント登録自体が無料なので、どの店舗・企業さまでも気軽にスタートできます。

最初は地道に運営していかなくてはならず、また炎上リスクにも注意が必要です。しかしうまくいけば、元手ゼロで集客に成功する可能性を大いに秘めている手法といえるでしょう。