データベースマーケティングとは?3つのメリットと成功のコツ

マーケティング

「データベースマーケティング」という用語を聞いたことはありますか?

データベースマーケティングとは、企業が集めた顧客情報を管理・分析する、マーケティング手法の1つです。商品やサービスの営業が効率的になり、低コストで購入率をアップできる可能性があります。

ここでは、データベースマーケティングの基本やメリット・成功事例について紹介します。

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データベースマーケティングとは?

データベースマーケティングとは、顧客についての情報をデータベースに集めて年齢・興味などで区分・分析し、それぞれの「顧客にマッチしたアプローチ」を行い、販促効果を高めるマーケティング手法です。

販促活動では、年代も性別も違う人に同じ売り方をしても効果は出ず、労力だけがかかります。例えば、独身の男性にベビー用品を売り込んでも、見向きもされませんよね。一方、仕事を引退した高齢の方へのビジネススーツの売り込みも、無意味です。

そこで、データベースマーケティングでは顧客情報の分析により「その商品を必要とする人・興味のある人」に絞って、ピンポイントにアプローチできます。そのため、余計な広告費をかけず、効率的な販売促進活動が可能です。

データベースマーケティングのターゲティングでは、次のような顧客の情報をデータベースに集め、それぞれの特性を把握します。こうして、「顧客がどんな物を求めているのか?」分析し、販促に活用します。

  • 年齢・性別
  • 住所
  • 職業
  • 家族構成
  • 興味についての情報
  • 過去の購買履歴
  • アプローチ履歴 など

顧客の悩み解決で、信頼を深める

データベースマーケティングの主な目的は、「既存顧客の悩みを解決し、信頼関係を作る」ことです。

顧客の事情を無視した「売り込み」は、企業へのマイナスイメージを生みます。無理に買った場合、商品への満足度も低く、リピーターにならない可能性が高いです。

そこで、顧客の立場に立ち、「悩みを解消する方法」の1つとして商品をすすめるようにします。最適な商品をおすすめするには顧客についての理解が必要ですが、これはデータ分析によるターゲティングをおこなうことで可能になります。

購入により悩みを解決した顧客は満足し、企業への信頼が生まれます。こうしてリピーターがつくと、売上アップにつながるのです。

データベースマーケティングとCRMの違いは?

データベースマーケティングと似ているのが、「CRM(Customer Relationship Management)」という手法です。

CRMは、顧客満足度を上げ、リピーターでいてもらうために、顧客へのアプローチ履歴などのデータを管理し、個別にアプローチする手法です。一方、データベースマーケティングは、CRMで集めたデータを分析し、最適なアプローチ方法を導き出します。

例えば、お客さんがレジで提示するポイントカードから、「いつ・誰が・どの商品を買ったか」というデータがわかります。ここから、ある20代後半の女性客が、野菜ジュースを朝の時間帯に買うことがわかり、新商品の野菜ジュースを朝にすすめるとします。これがCRMです。

データベースマーケティングでは、このようなデータ収集の結果、「20代後半の女性は野菜ジュースを朝に買う傾向がある」ことがわかり、最適な販促を行います。

データベースマーケティング3つのメリット

データベースマーケティングによる販促活動のメリット・効果を紹介します。

既存顧客への販促で購入率アップ

データベースマーケティングでは、商品に一度でも興味をもった顧客のリストを作れます。例えば、過去に次のような接触をしたことがある顧客へ、ムダなく最適なアプローチができます。そのため、新規顧客よりも購入につながる可能性が高いです。

  • 問い合わせがあった
  • 商談をした
  • 展示会やセミナーに来た など

競合への目移りを防ぐ

データベース内の顧客へ、継続したアプローチを行い、機会損失の防止が可能です。

例えば、定期的なメルマガ送信などで、商品情報を顧客に記憶させ、関係を強化します。すると、いざその商品のニーズが訪れたときに思い出してもらえ、他社への流入を防ぎます。

低コストで販促できる

商品を知らない・興味がない相手へアプローチするよりも、興味をもったことのある相手へ販促するほうが、労力が少なく済みます。

例えば、「○○商品の資料請求をした30代男性」などと属性ごとに分けてダイレクトメールを送信できます。そのため、営業や集客にかかる人件費をカットしながら、効率的な売上げアップが可能です。

データベースマーケティング成功のコツ

データベースマーケティング成功させるためのポイントや注意点を紹介します。

データの分析をしっかり行う

データベースを構築しただけでは、役に立ちません。次のステップとして、データベース化した顧客情報を、どのように活用するかということが重要です。

例えば、顧客ごとの取引数を把握し、取引数に応じて販売促進活動の費用分配を決めると、必要経費の削減が行えます。

取引の多いお得意様の分析は、特に必要です。さらに、そのお得意様と似ている人を選びだし、販売促進活動を行います。すると、その他大勢へ一度にアプローチするよりも、成功率が上がります。

また、取引がとどまっている顧客も分析し、取引継続につながるための販促を行います。このような分析から、新たに商品を購入してくれそうな顧客の発見も可能です。

データを活用し最適な方法でアプローチする

細かく区分した顧客データは、様々な方法をミックスさせたアプローチができます。

  • 問い合わせがあった顧客へ、商品の利用方法や機能をステップメールで送る
  • 過去の購入者宛てに、特別メニューの招待メールを送る
  • 仮申込はしたが購入しなかった人を、無料セミナーに招待する など

このように、メルマガやFAXDM・テレアポ・イベントなど、様々な方法を駆使して顧客との信頼関係を築くことが重要です。

データベースマーケティング成功事例

データベースマーケティングが成功した企業の事例を紹介します。

Tポイント(TSUTAYA)

DVDなどのレンタルで有名なTSUTAYAでは、「Tポイント」を使った顧客情報のデータベースがあり、それらを活用したマーケティングを行っています。

TSUTAYAアプリでは、自分の利用店舗を登録すると、データベース情報に基づき、登録店舗の在庫検索などができるようになります。

ここでの顧客の行動とデータベース情報を照合させ、それぞれの販促の効果を分析し、マーケティングの精度を上げることに成功しています。

まとめ

  • データベースマーケティングとは、顧客データを収集・分析し販促に活かす手法
  • 既存顧客への販促は、購入されやすい
  • 低コストで販促できる

データベースマーケティングについて解説しました。近年は、情報解析技術の向上により、今までは扱えなかった大量かつ多様な情報を分析が可能になりました。

顧客の満足度を上げながら企業も効率的に利益を上げていけるといった、メリットの多いデータベースマーケティングは、今後も進化を続け、さらなる効果を生み出すことが期待されます。